北朝鮮情勢は、緊迫したニュースが多く伝えられていますね。

今すぐ戦争、という人もいますが、私はそうは思いません。

 

年内の戦争の可能性は低いと思います。但し、北朝鮮は今週中、遅くとも週明けには中距離弾道弾もしくはSLBM(潜水艦発射のミサイル)を日本海に向けて発射すると思います。

 

何故戦争の可能性が低いと思うか?

 

それは双方に戦争の準備が整ってないからです。

 

北朝鮮を空爆した場合、100%北朝鮮陸軍がソウルを砲撃し、侵攻します。壮絶な地上戦になります。

今の所、北朝鮮軍にそういった動きのニュースがないこと、韓国軍も、アメリカ軍もその体勢が整っていないからです。

 

アメリカは空母すらまだ展開していません。シリアのように空爆とミサイル攻撃ではすみません。攻撃した場合、アメリカはベトナム戦争以上の死傷者を覚悟しなければなりません。その覚悟が整っているとは思えないのです。

 

但し、トランプが大統領というのがひとつの不安定要素ではあります。彼ならそういった愚かな決断を下す可能性はあります。しかし、準備期間が必要です。軍隊を展開する時間を考えると仮に戦争になったとしても、年明けでしょう。

 

一方北朝鮮は9日の建国記念日に向けて、再度ミサイルを発射するでしょう。核実験はできません。準備できていないからです。ICBMの可能性も低いです。この前発射したからです。

実験と威圧の双方の要素を考慮すれば、一番発射したいのはSLBMでしょう。

これに成功すれば、「潜水艦でどこからでも攻撃できる」とアピールできます。(実際にはディーゼル潜水艦では東シナ海・南シナ海・日本海しか航行できませんが。補給拠点が無い以上、アメリカまではいけません。)

 

但し、このミサイル発射はかなりリスキーでもあります。中国・ロシアが懲罰的意味合いで、一時的な石油の禁輸に同意する可能性があるからです。(あくまで一時的であり、恒久的ではありません。)

又、トランプアメリカを必要以上に刺激し、過激行動を取らせる可能性もあります。

このリスクを北朝鮮がどう判断するかでしょう。

 

いずれにしても、まだケンカでいえば、ガンのつけ合いの段階です。

この後開かれる安保理緊急会議での各国の対応で、この先が少し見えます。

 

アメリカは石油禁輸を含む追加制裁提案。英仏は同調。中国・ロシアは無条件での話し合いを提案、でしょう。中国・ロシアがどこまでアメリカに同調するかがカギでしょう。これによって、両国の北朝鮮に対する思惑が見えてきます。