福島大学「福島における放射能除染のあり方について」注目の意見がありました。 | 一般社団法人NB研究所【NBI】

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ガンバロウ福大!行政の「結」

から転記致しました。福島大学に敬意を表します。


NPO法人放射線安全フォーラムでは、

元原子力委員会委員長代理田中俊一先生をお招きして、学習会「福島における放射能除染のあり方について」を開催しました。



今回の学習会は、話が持ち上がってから開催までわずか10日という「緊急企画」でした。数日間しか広報ができず、どれだけの方に参加していただけるか不安でしたが、急きょ変更したL2教室(250人収容)はほぼ満席となり、この問題に対する市民の方々の関心の高さがうかがわれました。



辻学類長の挨拶に引き続き、さっそく、パワーポイントを使って、田中先生のお話が始まりました。お話は、

「1.福島第一原発の現状」
「2.環境への放射能放出と放射能除去の必要性について」
「3.飯舘村長泥地区での放射能除染試験」
「4.福島市での放射能除染」
「5.日常生活について」

と多岐にわたりましたが、そのポイントをご紹介したいと思います。

1では、福島第一原発の原子炉から大気に放出される揮発性放射能はほぼ出つくしていると推測され、今後、炉心の冷却が長時間止まるような事態が起こらなければ、大気中への大きな放射能の放出はないと考えられる。現在の最大の課題は、高い放射能で汚染された炉心冷却排水の処理であり、事故収束の時期を明確に予測するのは困難な状況にあるとのことでした。

2では、まず、放射能と放射線との関係、放射線被ばくとは何か、環境に放出された放射能と放射線分布についてのお話がありました。興味深かったのは、原子力安全委員会が現存被ばく状量として20m㏜を採用したが、成人を基準にした数値であり、幼児・子どもについてはその3分の1というのが国際的合意であること、また、文科省は5月末に1年間での学校等での被ばく線量を1m㏜以下になるよう除染を行うことを表明したが、これは、霞が関が将来訴訟で訴えられないためのものであり、20m㏜にしろ1m㏜にしろ、科学的根拠というよりも政治的な判断で決められたのではないか、という指摘です。

そのうえで、飯舘村のような計画的避難区域と、福島市のような比較的放射線量が高い地域のそれぞれについて、放射能除染の必要性が説かれました。

まず、前者については、現在、土壌等の放射能汚染は、セシウム137(半減期30年)とセシウム134(半減期2年)がほぼ半々であり、自然の減少はほとんど期待できず、したがって、セシウムを積極的に除去して、放射線量率や土壌等の放射能濃度を下げて、住民が村に復帰し生活できるようにする必要があるとのことです。

また、後者については、現在、広範囲にセシウムによって汚染されており(とくに高いのは、草むら、芝生、雨樋など)、放置すれば空気中に舞いあがるなど内部被ばくの要因にもなることから、年間の被ばく量を1m㏜以下にするには、学校・幼稚園、保育所、公園などでは徹底した汚染除去が必要であるということです。
 そして、

文科省が推奨した天地返し(汚染された表土を下層の土と入れ替える)では、その後、200~300年間も「天地無用」の土地となることから、回避すべきであるという見解が示されました。放射性物質はきちんと管理されなければならず、「管理できない状態」にしてしまうことは避けなければならない、ということです。

3では、飯舘村長泥(ながどろ)地区において、5月に2回にわたって実施された放射能除染試験の成果が報告されました。民家の家屋・屋敷での除染とビニールハウス、水田、牧草地の除染が行われました。

民家では、周囲の樹木からの放射線の寄与が大きく、床よりも天井の方が線量率は2割から5割も高いそうです。除染は、屋根や雨樋の除染(高圧水洗)、屋敷周辺の樹木の枝打や伐採、屋敷前庭の表土剥離(ポリイオン溶液を散布)などが行われました。屋内線量率が、3.9~8.6μ㏜から3.1~4.3μ㏜へと低減しましたが、周辺環境の影響が高いため、より低減させるためには、民家の半径50~100mの範囲で除染をする必要があるとのことでした。

一方、農地の方は、7割から9割も放射線量率が下がり、耕作制限値の5分の1~2分の1まで低下するなど、大きな成果をあげたとのことです。



ただ、問題は、今回の除染試験でも、約20㎥の汚染土壌が出ており、放射能除染に伴う廃棄物は、福島県全体では数千万トンになることが推測され、その対応としては、

ベントナイトやゼオライトを底に敷き詰めてセシウムの移動を抑制した

「廃棄土壌管理処分場」の建設が必要だということでした。

4では、学校等の放射能除染について、土壌、草むら、樹木、レンガ、コンクリート、校舎等の屋根、雨樋、ピットなどの場所ごとに、具体的な方法とともに解説されました。それらに共通する汚染除去の基本は、①汚染(放射能)を広げないように丁寧に取り除くこと、②セシウムを吸い込まないようにマスク(花粉用)をして手袋(薄手のビニール)をすること、③サーベイメータをもつ専門家のサポートを得ること、です。

最後に5では、私たちの日常生活における留意点について触れられました。食物については、日本の摂取基準値は欧州よりも厳しく定められており、よく洗って食べれば飯舘村長泥の野菜も美味しく食べられること(ただし、筍は基準値を超えている)、大気中には放射能がないので、窓を閉めたり、マスクをしたり、長袖を着ても効果はなく、洗濯物や布団も外で乾燥させても問題はないこと(ただし、風によって土ぼこりが舞うような場合は別)、さらに、年間100m㏜以下で健康被害が生じるという疫学的な調査結果はなく、あまり気にしすぎる心的ストレスの方が心配であるというお話もありました。


以上、ナチュラルブランケット、ベントナイトブロックは、この国難に貧している福島への対応策として、

300年管理できる技術と考えております。

ご用命を頂ければ幸甚です。


セシウム汚染対策窓口


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