完全に春到来ということで、最近はよく走りに出掛けてる。家から歩いて7分ほどの所にある公園では、みんな一様に心を解放し楽しんでおられる。まさに絵に描いたような、ベンチに座りハトに豆をやるじいちゃんを見て少し笑った。本当にいるんだなあと思って。どうりでハトは近くを走り抜けても逃げやしない。すれすれのスリルを楽しんでいるようにも見える。走りながら笑うのはちときつい。

 ところでこの公園は幼稚園児のお散歩コースにもなっているようで、道の端の少し出っ張っているレンガの縁をみんなで手を繋いで縦一列に落ちないよう辿っている。今思えばとりあえず周りの高いところに登るだけで、あいつすげーってなってたのを思い出す。それから20年後の今というと、面白い本ないかなあ、面白いゲームないかなあと探しているけれど、単純な事に楽しみを見つけて遊んでた頃の方が楽しかったかもしれないと思う。今はもう出来ないけど、ブロック塀にもう一度登りたいとは思ってる。そんで、近くにいる保母さんが大体小柄なのは昔からの謎。背が高い保母さんを見かけたことがない。

 風が気持ちいい。汗を乾かすそよ風がひんやりしてきた。春は嵐。天候があっという間に変わり、その度に桜が散ってしまわないか心配になるね。今年も花見は出来なかったけど、上京したての東京の桜は今でもおぼえてる。あれは淵野辺キャンパスだった。そう。とても綺麗だった。まだ友達も出来てないしそれどころか東京の地理も分からなくて、山手線乗ったら渋谷とか新宿のたびにここチョキチョキで見た場所だ~とかいちいち思ってて、油断すると帰りの道のりもまだ危なくて。あ、チョキチョキって雑誌ね。それでも桜がなんだか優しかった。今ではだんだん桜を見る瞬間がなくて、それはそれで忙しくなってきたという嬉しさもあるのだけれど。桜を見て思い出す事って、多分人それぞれいっぱいあるよなあ。