みかんの白いやつをひたすら取ってみる。大体取り終わったところで爪楊枝を取ってきて、更に狭い路地に入っている細かいやつも取ってみる。綺麗になった。さぞ美味かろう。と、思ったけれど。そうなった頃には僕の体温で温められて、さぞ不味かった。やっぱり白いやつが少し付いてる食感に慣れているから非常に口が奇妙で、味うんぬんよりもまず食感から物足りない。
 かつていちごもやったことがある。こたつで。多分中2の冬の夕方。サザエさん観てたからおそらく日曜日。いちごのつぶつぶを爪楊枝で同じく取り出してみたが、体温のそれもあるけども、いちごはつぶつぶが美味しいんだと分かった。つぶつぶのないいちごは、食べれたものじゃなかった。
 まったく謎の行為だ。意味もない、何の役にも立たない検証だった。しかし、やらなければ分からなかった。それだけは確実だった。もしやらなければ、みかんの白いやつ全部取ったらどんな味か気になり続ける人生だった。知れてよかった。結局、百聞は一見にしかずの味わいだった。
 このブログを100回読んでも一見にしかず。であれば、どうぞ爪楊枝を片手にやってみてくだされ。きっと意味はありません。