中学三年生の時にF902is(青)で携帯デビューしました。当時は確かKAT-TUNさんのCMで『SIGNAL』って歌が流れてた。すごく印象的だった。着うたを探して、背面タッチのミュージックプレイヤーを触りまくり、新しいゲームボーイよりもひどく興奮しました。近未来SF映画の道具がスクリーンから飛び出てきたみたいだった。
 他愛もない雑談ほどメールは止まらない。顔文字と絵文字の発展とゲームボーイじゃやらないテトリス。携帯する電話なのに電話代で怒られるからまたメールは止まらない。着うたを厳選しても結局オレンジレンジだった。平成生まれのティーン時代は携帯電話で加速した。
 最初はそれだけで良かったのに、この13年間の間に急速に化けた。今じゃスマホで自分の意見を簡単に世界へ発信できてしまう。無料電話ってアプリもあるし、もはや携帯電話って呼んでいいものか、と思い始めた。相棒に近いと思った。だっていないと困るもの。あいつがいないと俺はダメだもの。「スマホ依存」って、人じゃなくてこの世界の事だ。経済がスマホ依存だ。
 病める時も健やかなる時も、僕は君と一緒。どこへ行くにも、君がいないと僕は何も出来ない。君も、僕がいないと電源すら入らないがね。君には使われたくないし、使いもしないよ。相棒らしく仲良くやろうや。