海を渡ればー悲願のオセアニア 第9話ー | ちょこっと、つぶやいてよろしいでしょうか。

ちょこっと、つぶやいてよろしいでしょうか。

海外生活28年、現地でのオモロ苦労話や、時々する旅話をつぶやいています。

1月下旬、ニュージーランドの夏、素晴らしすぎるぅ~!!

 

 

祝 海外生活25周年

 

を勝手に記念し、移住までの道のりを綴っております。

 

弱くて海外生活は無理だと言われていた私の、

語学力もスキルもない私の、

海外移住物語です(^_^)/

 

初回からはこちら↓をご覧ください。

 

オーストラリアで敗れた夢をひっさげニュージーランドへ。

到着したオークランドでなんとかガイド会社への面接までこぎつけました。

 

 

 

南国ケアンズ帰りの私は5月、秋のニュージーランドにはありえない半袖スーツとサンダルで面接に臨みました。

 

「SARSでヒドイ状態、テロや天変地異でも起きれはすぐ収入はなくなる、ニュージーランド自体日本に対して有名な国ではない。」

 

 

そんな事を聞いても私の決心は揺るぎません。

 

バックパッカーで同室のスコットランドのジャミ―、中国の女の子、マーケットで出会い街を案内してくれたケビンじーさん、皆が口をそろえて言います。

 

なぜその仕事にこだわるのか。

もっと視野を広く持て、世界を見なさい。

 

だけど、私のしたいことは彼らのように世界中を旅する事ではなくガイドになりたいのです。

口に出すと泣きそうなくらい現地ガイドの仕事が好きなだけなのです。

 

 

思いのたけをぶつけた後、面接をしてくれているマネージャーの「では、ワーホリを取って、、、、」という言葉を遮って、私は夕べ即席で作った履歴書の生年月日を指差します。

 

【悲報】

もう全世界のワーホリは取れません。

 

面接の申し込みをした時、わざと年齢を言わず面接まで漕ぎ着けてしまったことは今でも申し訳ないと思っていると同時に”よくやった”と自分を褒めたい気持ちでいっぱいです。

 

本当に必死だったのです。

 

慌てだしたマネージャーの「社長と相談して」という言葉にわずかな期待を抱き、後日再面接をしてもらいました。

 

採用(*'▽')

 

しかも最初からビザが貰えるという好待遇に飛び上がりました。

 

 

これには事情があります。

採用してくれたガイド会社の社長は、私がケアンズで働いていた会社の社長と知り合いだったのです。

 

支社が何店舗かあるオーストラリアのガイド会社では毎年持ち回りでクリスマスパーティーをするのがならわしで2002年は私のいたケアンズ支店が主催でした。

 

市内を全部使うようなかなり大がかりなパーティーで、

先導車の後を走りながら追いかけ出される〇×クイズに答えていったり、海岸で対決したり、ゴーカード場でレースをしたり、最後には貸し切ったホテルのプールに飛び込み浮かんでいる風船を取ってきては商品を当てるというかなり盛り上がった内容でした。

 

その時にまだ会社に入ったばかりの私たち10期生は各支店長や社長に挨拶をして回ったのですが、私は必ず「ああ、君が。」と言われていたのです。

 

ああ、君が、ガイドになりたくてワークビザが欲しくて、無給で働いているアホの子やね。

 

と思われていたのかどうかは知りませんけど、どうやらニュージーランドのガイド会社はオーストラリアまで私の素行など(?)問い合わせたようです。(NZでは普通の事です)

 

 

「(オーストラリアの)社長がよろしくと言っていたよ」

 

と、(ニュージーランドの)社長。

 

救われた!報われた!

 

人生に無駄な時間など1秒もないっ!!

 

沢山の汗と涙を流したケアンズ、がんばってよかった。

希望を捨てずニュージーランドに来てよかった。

 

もし、ケアンズから失意のまま日本に帰っていたら私はきっとずっと立ち直れないまま、また引きこもり病院通いの生活をしていたかもしれません。

「ガイド会社あるよ」という言葉に飛びつきニュージーランドに寄ったのは何かの縁だったのか、運命だったのか。

 

 

私には自信がありました。

ここで暮らし、ガイドとして生きていく。

それが叶えられるのならどんな厳しい状況だって耐えられる。

 

やったるでぇ~!!

 

出ましたっ。

渾身の「やったるでぇ~」出ましたっ!

 

 

面接を終えカフェを出て去っていく社長とマネージャーの後ろ姿に、何度も何度も頭を下げました。

(込み入った話になるからとオフィスを避け、わざわざカフェでお話頂いてました)

 

2003年5月5日。

 

この日を一生忘れない。

 

33歳になってもまだ夢を見ている子供の私にぴったりな、最高の子供の日になりました。

 

 

マーケットで出会ったケビンじーさんが連れて行ってくれたワンツリーヒルにて。

 

 

つづく。