<タイ洪水>首都移転再燃も

毎日新聞

大洪水に見舞われたタイで、首都機能移転に向けた議論が再燃する
可能性が出ている。与党「タイ貢献党」の国会議員20人が16日、
検討委員会設置を求める文書を国会に提出したからだ。地元紙バン
コク・ポストによると、温暖化によるタイ湾の潮位上昇で、バンコ
クの地盤は年々海面の水位に近づいており、洪水や津波に備えて内
陸部への移転が必要と指摘する専門家もいる。インラック首相の兄
タクシン元首相の政権当時、タイ中部のナコンナヨック県などが移
転候補地に挙がり、政府内で検討されたが、候補地を巡り政治家の
用地買収疑惑が浮上し、計画は凍結された。人口約700万人を抱
え、商工業や観光の一大拠点であるバンコクの移転は容易ではなく、
仮に議論が再開しても長い期間を要するのは確実だ。