詩)風と花 | 本棚の隙間

詩)風と花

私は少しピンク色

さっと温かい風がなぜる

“いつか君をさらっていくよ”とささやいて

風は吹いていく

まだまだいろはみせません。

私は少しピンク色

また来たあなたは、

“もうすぐ本当の君にあえる”

    と言って・・・

でも私はそんな気ないの。

そのすぐ近い日にやってくる

“絶対きみを奪うんだから”

もうしつこいわ。

やっと私は姿をかえる。

淡いピンク色に皆は感嘆をあげる

またやってきますように

まわりが散っていく

 さらりと風が吹く

知らない風

あれだけ言っといて何なのかしら。

少し緑色

 夏が近いと知らせる

蒸し暑い風

 もうすぐ梅雨

あなたを待ってる

    どうしてかしら

夏が来て秋が来て冬が来た

ずっと咲くピンクの花

ひときは目立つピンク色

これでもあなたはこないのね

いじでもまってやるわ

周りの風はそっとささやく

僕と一緒に行こうと

あの生意気な声はきこえない

あぁ私はどうしたらいいかしら?

私が死ねば彼はさらっていくかしら?

まって、まって、まって何年だろう?

もう限界も近い

きっと世界記録ものだわ

・・・あなたの声

  あたたかな風をもう一度

ごめんなさい。

 もう限界なの。

知らない風がさらっていく

あーもう待ちくたびれちゃった。

ふとあたたかな風を感じた

  彼だわ

知らない風からさらってく

まったく遅いじゃない!

フワリと舞う

 久しぶり!約束守りに来たぜ!

ちょっと荒っぽい風は、そっとささやく。

しだいに涙がでた

           ありがとう

                        (終)