再び訪れたAさんの転機。

それはAさんの旦那さんの死。


Aさんがこちらに戻ってきてから、間もなく旦那さんが亡くなりました。


その日、Aさんは泣きながらうちへ来ました。
突然のことでAさんと母は2人でワンワン泣いたそうです。

死因を特定する為に司法解剖にまわされることに。
その際は「お父さんの体に傷をつけるな」と、
警察に怒鳴り込みに行ったり、
旦那さんの体に傷があったことから、虐待の疑いが出たりと色々あったようです。

詳細はよくわかりませんが、Aさんは逐一、母に相談に来ては、泣きながら自分の無罪を主張していました。

そして、旦那さんの死からAさんが徐々におかしくなっていきました。
標的が母へと変わっていったのです。

突然の旦那さんの死に直面し、葬儀の手配や様々な手続き。虐待の疑い。
そして、Aさんが1番懸念していたこと、それは2人の子供たちのこと。
母親のAさんから逃げるように家を出てしまい、2人の連絡先を知る人は誰もおらず。
父親の死を子供たちに伝えられないことは親として、とても辛いことだったと思います。

親戚との繋がりがないAさんは頼るところもなく、早々に仕事をはじめましたが、度重なる心労と馴れない仕事。
身も心もズタボロになったAさんは、ついにはまたお酒に手を出す日々が始まってしまったのです。

その日々の苛立ちや怒りは、私の母へと向けられました。

1番の理解者、その愛情が憎しみへと変わっていったのです。

母はAさんの状況や気持ちを理解し、何を言われても話を聞いてあげていました。しかし、ちょっとした話の違いから、Aさんは激昂(げきこう)しだしました。

深夜に泥酔したAさんから電話がなりました。
「かけ直せ」と電話を切られ、母が電話をかけ直すと、電話口では怒り狂ったAさんの怒声が響きました。
散々、怒りをぶち撒け、Aさんが母に言い放った言葉は「お前が病気になったのは当然だ!」でした。
それまで、母の病気のことを気遣い心配していたAさんからのまさかの言葉に、母の心にもついに限界がきました。
その日の電話は深夜の1時過ぎまで続きました。

Aさんの旦那さんが亡くなってからは、Aさんの歯止め役は、もはや母しかいない状態。
地域の中で何かことが大きくならないよう、母は母なりに耐えていましたが、その母もついに限界でした。


そして、次の日。
夜の11時過ぎに、またAさんからの電話が鳴りました。
昨日の電話のこともあり、母が電話に出ることを拒むと、数分後に家のチャイムが!
チャイムは何度も押され、ドアを開けようとする音と、ドアを蹴る音、そして怒り狂ったAさんの怒声が夜中のマンションに響き渡りました。

鬼のようなAさんが夜中に家へ怒鳴り込みに来たのです!


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