※全文ではありません。

 

 

いまだに理解されていない感染経路

 

 

新型コロナ禍の当初は、

『新型コロナは接触感染と飛沫感染が主な感染経路』

との認識が広まっていた。

 

 

しかし、現在は

『新型コロナは、空気感染が主な感染経路』というのが、

WHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病予防管理センター)など、

世界中の専門家の間ではコンセンサスが得られている

(※空中を浮遊するウイルスを吸い込むことによる感染)

 

 

厚生労働省も認めているにもかかわらず、

日本では その認識が広がっていないのか、

効果のない感染対策が いまだに行われている。

 

 

たとえば、

スーパーやコンビニのレジに設置されているビニールカーテンだ。

国立病院機構仙台医療センターのウイルスセンター長の

西村秀一氏が解説する。

 

 

 

「ビニールカーテンは、

 店員側からみると目の前の客が飛沫を出しても

 一瞬防ぐことはできますが、

 そのあと、空中に漂うエアロゾル(ウイルスを含んだ微粒子)が

 カーテンと壁の間で滞留してしまい、

 ウイルスを吸い込むリスクが高まります

 

 

 同様に、飲食店にあるアクリル板のパーティションも、

 飛沫を防ぐしか効果はない

 

 

 エアロゾルは空中に漂っているので、

  しっかり換気をするぐらいしかないのです。

 (以下「」は西村氏)

 

 

 

 

アルコール消毒は逆効果

 

 

ビニールカーテンやアクリル板と同様、

今でもスーパーやコンビニ、ドラッグストア、書店など、

店の入り口に アルコール消毒液 が設置され、

漫然と使う人たちがいるが、

コロナ対策として無意味どころか、本人にとっては逆効果だという。

 

 

「『新型コロナは空気感染』ということを理解していれば、

 手を消毒しても感染を防止する効果はありませんし、

 そもそも一般的にウイルスは皮膚から感染しません。

 というのは、皮膚の一番外側にある角質層には、

 強力なバリア機能があるからです。

 

 

 ウイルスが このバリアを破って体内に侵入するには、

 皮膚についた傷から物理的に突破しなければいけませんが、

 新型コロナのような呼吸器系ウイルスなら

  その場合でも直接感染することはあり得ません

 むしろ、この観点で過剰な手洗いやアルコール消毒は、

 皮膚のバリア機能を自ら破壊している ともいえます。

 効果どころか害しかなりません」

 

 

厚生労働省のホームページには、

「新型コロナウイルス感染予防のために」として、

換気、マスク着用に加えて、手洗い・手指消毒が有効だとするなど、

情報がアップデートされていないのだ。

 

 

 

 

新型コロナと共生する道しかない

 

 

結局のところ、毎年冬に流行するインフルエンザと同様、

新型コロナウイルスも共生していくしか道はないのだろうか。

 

 

新型コロナは、季節性インフルエンザと同じく、

 主に上気道(鼻から喉までの気道)でウイルスが増えます。

 上気道に病巣が限定されると重症化せず、

 場合によっては症状が出ないこともある。

 その分、感染者の行動範囲が広がりやすいために、

 ここまで拡大してきました。

 その性質は変わりようがなく、

 一旦収束したように見えても、ウイルスは社会から完全には消えません。

 

 

 また、これまでのコロナでもインフルエンザでも経験してきたように、

 流行自体を抑え込むことは、

 ワクチンも含め、どんな感染対策をやっても無理

 今のコロナは、たとえ免疫から逃れるように変異しても、

 突然極端に強毒化することはウイルス学的にも考えにくいので、

 これからずっと付き合っていく感染症だと捉えていくしかないでしょう。」

 

 

高齢者や基礎疾患のある人は、

気をつけるに越したことはないが、

それ以外の人は特に神経質になるべきではない

 

 

また、今のコロナで感染者が増えているとはいえ、

そのために過剰な医療不可が問題にはなっても、

ウイルス自体は弱毒化する一方。

 

 

適度な感染対策はやっても、

むやみに神経質になる時期は、とうに過ぎ去っているのだ。

 

 

 

 

コロナ煽りは もうやめるべき/西村秀一氏