「抗うつ薬による性機能障害-
VigiBaseTMのデータを用いたファーマコビジランス研究」 2024/06/24
概要
性機能障害は抗うつ薬の一般的な副作用であり、
患者の生活の質と治療遵守に重大な影響を及ぼす。
本研究では、
世界保健機関の個々の症例安全性報告のグローバルデータベースである
VigiBase のデータを分析することにより、
性機能障害と抗うつ薬の関係を調査した。
本研究では、適切な副作用用語をグループ化することにより、
性反応(欲求、覚醒、オーガズム)に関連する報告を初めて調査し、
さまざまな抗うつ薬の報告オッズ比(ROR)を計算した。
本研究の結果は、特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬と(SSRI)
セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)で、
性機能障害の報告が大きく不均衡であることを強調している。
対照的に、アゴメラチン、ブプロピオン、ミルタザピン
(すべて SSRI、SNRI 以外の抗うつ剤)などの薬剤では、
関連性が低いことが示された。
さらに、報告オッズ比と
抗うつ薬の特定の神経伝達物質受容体およびトランスポーターへの
結合親和性との間の相関関係を調査し、
これらの副作用の根底にある
薬力学的経路への洞察を提供する重要な関係を明らかにした。
たとえば、セロトニントランスポーターと
欲望カテゴリの副作用の間には、正の相関が見られた。
これらの洞察は、
臨床医が抗うつ薬を処方する際に性的副作用を考慮し、
患者の転帰を改善するために、
これらの問題を監視および対処する必要性を強調している。