デイリー・テレグラフ紙の調査によると、

バイエルやレブロン・ヘルスケアなどの製薬会社は、

HIVとC型肝炎に汚染された血液製剤を、

故意に英国国民保健サービス(NHS)に販売していました

 

 

 

この暴露は、1970年から1980年代にかけて、

汚染された血液製剤からHIVとC型肝炎に感染した

数千人の血友病患者に関する国家的調査の一環として

行われたものです。

 

 

 

テレグラフ紙が入手した

バイエルとレブロン・ヘルスケアのアーマー製薬の内部文書によれば、

両社は1980年代初頭に、

第VIII因子製剤が汚染されていることを知っていたのですが、

それでもなお販売していたと。

 

 

 

バイエルの場合、1985年の社内マーケティング計画では、

HIVに汚染された製品を、アジアに販売することを提案していました。

同社は台湾、香港、マレーシア、シンガポール、アルゼンチンなどの国々で、

製品を販売する方法を説明していました。

バイエルは、40万ドルの売上げが危ういと考えていました。

 

 

 

同様に、アーマー社が無菌であるはずの

熱処理血液凝固第VIII因子製剤からHIVを発見したとき、

同社は、この発見を単に「マーケティング上の問題」と呼んでいました。

 

 

 

レブロン・ヘルスケアの規制・技術担当副社長マイク・ロデル博士は、

「問題は規制の問題ではなく、マーケティングの問題だ」と述べ、

同社が600万ドルの売上を失う可能性があると考えました。

 

 

 

アーマー社とロデル博士は その後、

この調査結果を、米国FDAから隠蔽しました。

 

 

 

アーマー社の第VIII因子が患者にHIVを感染させているという

直接的な証拠を突きつけられても、

同社は自社製品からHIVが発見されたことを否定しました。

その後、同社は英国保健省への報告を遅らせました。

同社の遅れは、英国市場から製品が撤去される前に、

子どもを含む多くの人々がHIVに感染したことを意味していました。

 

 

 

英国では、汚染された血液凝固第Ⅷ因子製剤によって、

1,250人以上がHIVに感染し、

さらに約5,000人がC型肝炎に感染しました。

 

 

 

感染血液調査委員会は、5月20日に調査結果を報告する予定であり、

血液凝固第VIII因子製剤メーカーに対して、

極めて批判的な見解を示すものと予想されます。

英国では、汚染された血液製剤の製造や販売に関与したとして、

起訴された者は1人もいません。

 

 

 

アーマー社の元常務取締役は、

「第VIII因子製剤の汚染に関するニュースを伏せたのは、

 患者のパニックを防ぐためだった

と調査団に語りました。

 

 

 

クリストファー・ビショップ氏は調査団に対し、

「懸念されたのは、完全な事実が明らかにされないまま、

 患者に恐怖を与えることでした」と。

 

 

 

また、テレグラフ紙の記事に対し、バイエルの広報担当者は、

「バイエルは感染血液調査に全面的に協力しており、

 最終報告書が発行される前にコメントすることは不適切である

とのこと。

 

「バイエルは、このような悲劇的な事態が発生し、

 バイエルグループ企業によって開発され、

 医師によって命を救い、改善するために処方された治療法が、

 実際には多くの人々を苦しめる結果となったことを、

 心から遺憾に思っています。」

 

 

 

2004年にアーマーの製造施設を買収した CSLベーリング社は、

「アーマー製薬の歴史的活動」について、コメントすることを拒否しました。