2013年、私は65歳以上の高齢者を対象に、

神経弛緩薬、ベンゾジアゼピン系またはそれに類する薬、うつ病治療薬によって、

米国では年間 20万9000人が死亡していると推定した。

しかし、私は かなり控えめな推計を用い、デンマークの使用量データを用いた。

そこで、米国の使用データに基づいて分析を更新し、

やはり高齢者層に焦点を当てた。

神経弛緩薬については、FDAのデータから死亡率2%という推定値を用いた。

ベンゾジアゼピン系薬剤と類似の薬剤については、

マッチドコホート研究により、

患者の平均年齢は55歳であったが、

この薬剤は死亡率を2倍にすることが示された。

超過死亡率は、年間 約1%であった。

別の大規模マッチドコホート研究では、研究報告の付録によると、

催眠薬は死亡率を4倍にした(ハザード比4.5)。

これらの著者らは、睡眠薬によって、

毎年32万から50万7千人のアメリカ人が死亡していると推定している。

したがって、年間死亡率の妥当な推定値は2%であろう。

 

 

 

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)については、

65歳以上のうつ病患者60,746人を対象とした英国のコホート研究で、

転倒を引き起こし、1年間治療した患者の3.6%が死亡することが示された。

この研究は非常によくできており、

例えば、交絡因子の影響を除去する良い方法である、

ある分析では、患者自身が対照であった。

しかし、死亡率は驚くほど高い。

 

 

 

Women's Health Initiative研究に参加した

136,293人のアメリカ人閉経後女性(50〜79歳)を対象とした

別のコホート研究では

うつ病治療薬は、交絡因子を調整した後の

全死因死亡率の32%上昇と関連しており、

これはSSRIを1年間治療した女性の 0.5%が死亡したことに相当する。

この死亡率は、過小評価された可能性が高い。

著者らは、抗うつ薬への曝露を確認する方法は、

誤分類の危険性が高く、死亡率の上昇を見つけることがより困難になるため、

この結果は慎重に解釈されるべきだと警告している。

さらに、患者は、英国の研究より はるかに若く、

死亡率は年齢とともに著しく増加し、70~79歳では1.4%であった

最後に、曝露した女性と曝露していない女性では、

早期死亡の多くの重要な危険因子が異なっていたのに対して、

英国のコホートの人々は自分たちで対照をとっていた。

 

 

 

これらの理由から、

私は2つの推定値の平均値、

すなわち年間死亡率2%を用いることにした。

 

 

 

以下は、65歳以上の人々を対象とした

これら 3つの薬物グループに関する、米国での私の結果である

(5,820 万人、使用は外来患者のみ)。

 

 

 

【精神薬による米国の年間死亡者数の推定】

 

https://bit.ly/4b5DfCA

 

 

 

これらの推定値の限界は、死ぬのは一度きりであり、

多くの人が有害事象を受けていることである。

これを どのように調整すべきかは、明らかではない。

うつ病患者を対象とした英国のコホート研究では、

9%が神経弛緩薬を、24%が催眠薬/抗不安薬を服用していた。

一方、死亡率に関するデータは、

多くの患者が比較群でも、

複数の精神科治療薬を服用していた研究から得られたものであるため、

有害事象が個々の薬剤が引き起こす以上の死亡率を

増加させることも考慮すると、

これは大きな制限にはならないと思われる。

 

 

 

米国疾病予防管理センター(CDC)の統計によると、

死亡原因の上位4つは以下の通りである。

 

心臓病:   695,547人

がん:    605,213人

Covid-19: 416,893人

事故:    224,935人

 

 

 

Covid-19による死亡は急速に減少しているが、

WHOが陽性者の死亡は

すべてCovidによる死亡と呼ぶべきであると勧告したため、

そのような死亡の多くはウイルスが原因ではなく、

単に陽性と判定された人が たくさん死亡したに過ぎない。

若者は、高齢者よりも死亡リスクが低い。

転んで腰を折ることは、滅多にないからだ。

私は、できるだけ控えめに推計した。

私の推計は、65歳未満の多くの薬物死亡を見逃している。

また、3種類の精神科薬

(神経弛緩薬、ベンゾジアゼピン、抗うつ剤)しか含まれていない。

そして、この推定値には、病院での死亡は含まれていない。

したがって、精神科治療薬が、

心臓病、がんに次ぐ死因の第3位であることは疑いない

 

 

 

その他の薬物グループと病院での死亡

 

鎮痛剤もまた、主な死亡原因である。

米国では2021年に、

約7万人が、合成オピオイドの過剰摂取により死亡している。

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の使用量も多い。

米国では成人の26%が常用しており、

そのうち16%は処方箋なしで入手している

(主にイブプロフェンとジクロフェナク)。

血栓症を引き起こす薬剤に大きな違いはないようなので、

ロフェコキシブのデータを使用してもよい。

(ロフェコキシブは、非ステロイド性抗炎症薬ですが、

 日本では承認されていないようです)。

メルクとファイザーは、

それぞれロフェコキシブとセレコキシブの臨床試験で、

不正行為といえるほど血栓性事象を過少に報告しているが、

大腸腺腫を対象とした1つの臨床試験で、メルクは血栓性事象を評価している。

心筋梗塞、心臓突然死、脳卒中が、

プラセボよりもロフェコキシブの方が、100人あたり1.5件多かった。

血栓症の約10%が致死的であるが、若年者では心臓発作は稀である。

解析対象を65歳以上に限定すると、年間死亡者数は87,300人となる。

英国ではNSAID使用者の消化性潰瘍合併症により、

毎年3,700人が死亡しており、

米国では毎年約20,000人が死亡していると推定されている。

したがって、NSAIDによる死亡者数の合計は、

約10万7,000人と推定される

 

 

 

上記の推定値、31万5,000人の病院死亡、

39万人の精神科薬物死亡、7万人の合成オピオイド死亡、

10万7,000人のNSAID死亡を加えると、

アメリカでは年間 88万2,000人の薬物死亡となる

 

 

 

上記以外の一般的に使用される薬の多くは、

めまいや転倒を引き起こす可能性がある。

例えば、尿失禁に対する抗コリン薬や認知症治療薬は、

それぞれデンマーク人口の1%および0.5%が使用しているが、

臨床的に関連する作用はない。

薬剤による正確な死者数を知ることは難しいが、

薬剤が、死因の第一位であることは間違いない。

また、65歳以下を含めると、死者数は もっと多くなるだろう。

さらに、心臓病による公式死者数から、

非ステロイド性抗炎症薬による死者数、

事故による死者数、精神科治療薬による転倒死者数、

その他多くの薬物による死者数を差し引く必要がある。

 

 

 

もし、このような致命的な大流行が

ウイルスによって引き起こされたのであれば、

私たちは それを制御するためにあらゆる手を尽くしただろう。

悲劇的なのは、

薬物パンデミックをコントロールするのは簡単なのに、

政治家が行動を起こすと、

たいてい事態を悪化させてしまうことだ。

政治家たちは製薬業界から多大な働きかけを受けており、

薬物規制は以前よりも はるかに寛容になっている。

 

 

 

薬害死のほとんどは、予防可能なものである。

何よりも、死亡した患者のほとんどが、

死亡原因となった薬を必要としていなかったからである。

プラセボ対照試験では、

神経弛緩薬やうつ病治療薬の効果は、

非常に重度のうつ病においても、

臨床的に最低限必要な効果を かなり下回っている。

また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、

その名前とは裏腹に抗炎症作用はなく、

系統的レビューによれば、

鎮痛効果はパラセタモール(アセトアミノフェン)と同様である。

しかし、痛みを訴える患者のほとんどは、

市販のパラセタモールとNSAIDの両方を服用するよう勧められる。

これでは効果は上がらず、死亡するリスクだけが高まる。

 

 

 

最も悲劇的なのは、

世界中の主要な精神科医が、自分たちが処方する薬が、

どれほど効果がなく危険であるかを認識していないことだ。

米国の精神科医ロイ・パーリス(ハーバード大学教授)は、2024年4月、

うつ病治療薬は「安全で効果的」であるため、市販されるべきだと主張した。

それらは非常に危険で、効果もない。

パーリスはまた、

うつ病の治療薬は 25歳以上の人の自殺リスクを増加させないと主張したが、

これも間違っている。

これらの薬剤は、大人でも自殺リスクが増加する

 

 

 

パーリスは、

「うつ病のリスクを高める遺伝子が100以上特定され、

 うつ病患者の脳に違いがあることを示す

 神経画像研究が行われているにもかかわらず、

 この障害の生物学的基盤に疑問を呈する人もいる」

と書いている。

これらの主張は、どちらも明らかに間違っている。

遺伝学的関連研究は空振りに終わっており、

脳画像研究も同様である。

うつ病になるのは、

憂うつな生活を送っているからであって、

脳に障害があるからではない

 

 

 

 

 

 

 

ピーター・ゲッチェ氏は、2018年に、コクランから「追放」されています。

上の記事は、彼がコクランから除名された際のデンマークの報道です。

しかし、彼は除名されても尚、

「危険な処方薬」や「不要な処方薬」について発言を続けています。

 

 

 

【ゲッチェ博士による「処方服用を避けるべき薬」】

 

・すべての抗うつ剤( SSRI を含む)

・小児への、脳に作用する薬の処方

・高齢者への抗精神病薬および脳に作用する他の薬物

・非ステロイド性抗炎症薬(市販の痛み止めなどを含む)

・マンモグラフィによるスクリーニング検査

・尿失禁の薬

 

 

 

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