血圧というのは、

「その人に必要な血液の量を、自律神経の作用によって流している」

ということなので、

それを薬で無理やり下げることは、

「身体に必要な血液が回らなくなる」ということのようです。

 

 

 

 

「研究によれば、

 米国の新しいガイドラインによって勧告されている

 血圧の早期治療には、いかなるメリットもない

 medicalxpress.com 2018/11/27

 

 

アメリカでは、患者たちはドイツにおいてよりも、

はるかに早い段階で高血圧とみなされる。

 

しかし最近の研究により、

ドイツ・ミュンヘン工科大学のふたりの教授、

カール・ハインツ・ラドヴィグ(Karl-Heinz Ladwig)氏と、

ヘルムホルツ・ツェントルム・ミュンヘン

(Helmholtz Zentrum München)氏は、

患者に早期の高血圧治療を行っても

致命的な心臓病のリスクは低減しないと、結論づけた。

 

それどころか、早期の高血圧治療は、

患者たちの精神的健康に悪影響を及ぼすことさえあることが わかった。

 

アメリカ心臓病学会は、

2017年に高血圧ガイドラインに新たなカテゴリーを追加した。

それは「ステージ 1高血圧症」というものだ。

 

この新しい基準の下では、

医師はこのカテゴリー( 130/80 以上の血圧)の患者には、

治療を施すよう勧められている。

 

しかし、欧州心臓学会では、

この130/80 以上の血圧の範囲は「高い正常血圧」と定義されており、

具体的な治療は推奨されていない。

 

 

 

疑わしい動機づけの要因

 

ラドヴィグ教授と彼のチームは、

約 12,000人の患者のデータを用いて、

高血圧に関してのドイツの状況を評価した。

 

この研究の最初の論文著者である

セーリャン・アタソイ(Seryan Atasoy)氏は、

「さまざまな高血圧症の人々の間で、

 心血管疾患(CVD)死亡リスクを、

 心血管疾患に影響を及ぼすリスク要因の中で、

 私たちは 10年間にわたり調査しました」

 

アタソイ氏は、ふたりの教授の下で免疫学者として働いている。

 

調査の結果、アメリカで新たに作成されたカテゴリー

「ステージ 1高血圧症」の患者たちの心血管疾患による死亡リスクは、

正常血圧の患者よりも有意に高くはなかったのだ。

 

 

 

血圧を下げる薬が危険なうつ病を引き起こす可能性

 

生命に危険なほどの高血圧の人々は、

通常の血圧の人々より うつ病の発生率は一般に低いが、

しかしその中で、うつ病発生率が有意に高いグループが見つかった。

 

それは、重症の高血圧を治療するために

血圧を下げる薬を投薬されている人たちのグループだった。

 

うつ病あるいは抑うつ状態の人は、

高血圧の投薬治療は受けていない人たちの間では

全体の3分の1だったのに対し、

投薬を受けていた人たちは、

その約半数が、うつ病あるいは抑うつ状態だった。

 

この理由について、ラドヴィグ教授は以下のように言う。

 

「これはラベリング効果と見なされるべきだと確信しています。

 人は、『あなたは病気だ』と公式に分類されると、

 精神的健康に影響を受けるのです」。

 

 

 

アメリカの新しいガイドラインは、より多くの病人を生むことを意味する

 

ラドヴィグ教授によれば、

この新しいガイドラインの血圧のレベルの人たちは、

心血管系の潜在的な致命的リスクを引き起こす危険性は

さほど高くはなく、

診断や治療による改善を期待されるような状態ではない

しかし、このガイドラインは、

(あなたは病気の状態だと指摘されることで)

心理的ストレスに対処しなければならない人が 14%増えることを意味する。

 

こうした理由から、ラドヴィグ教授は、

ヨーロッパにおいて、アメリカのガイドラインを採用することは、

重大な間違いであると考えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに、石原結實著の

『高血圧の9割は「脚」で下がる!』によれば、

1980年に実施された厚生労働省「循環器疾患基礎調査」における

対象者1万人に対する14年の追跡調査で、

脳卒中や心筋梗塞、骨折その他の理由により、

人の助けを借りなければ、自分の身の回りのことができない人と、

ずっと健康であったか、

あるいは病気にかかっても

自立できないほどの後遺症が残っていない人について調べたところ、

上の血圧が 119 ~ 180mmHg、

下の血圧が 69 ~ 110mmHg のいずれの血圧の人も、

降圧剤を飲んでいる人のほうが、

飲んでいない人よりも自立度が低いことが わかりました。

 

また、降圧剤を飲んで、

上の血圧が 120 ~ 140mmHg 未満の「正常血圧」を保っていた人は、

降圧剤を飲まずに 160 ~ 179mmHg もある人より、

自立度が低いという結果が出たのです。

 

 

 

 

 

 

東海大学医学部名誉教授の大櫛陽一さんの研究では、

「降圧剤を飲んでいる人は、飲んでいない人に比べて、

 脳梗塞の発症率が2倍になる」ということが示されています。

 

 

 

身体や脳が元気である状態に保つために、

血圧は上がったり下がったりするわけで、

身体の必要に応じた機能なのでしょうね。

 

 

 

もちろん、過剰に血圧が上がった場合、

それが原因で良くない事態が起こり得ますが、

寿命というものも同時に考えなくてはいけないのかもしれません。