質問:

 

 

とある研究者がYoutube動画内で、

「ベクターウイルスから余計なものをそぎ落として、

 必要最小限のものにしたのがレプリコンだ」

「組み換え生ワクチンを究極に安全にしたものがレプリコンだ、

 究極の組み換え生ワクチンに近い感覚だ」

と仰っていました。

ベクターとレプリコンは全く違うものという認識だったのですが、

上記のような説明は正しいのでしょうかはてなマーク

そもそも、実用化された「組み換え生ワクチン」はあるのでしょうかはてなマーク

 

 

 

 

 

そもそもベクターウイルスという専門用語は無いはずです。

ウイルスベクターで汎用されるものには、

レトロウイルスベクターやレンチウイルスベクターなど、

RNAウイルスに由来し、逆転写してゲノムに挿入されるタイプがあり、

またアデノウイルスベクターやアデノ随伴ウイルスベクターなどの

DNAウイルスに由来するものがあります。

どちらも、複製の過程でDNAの中間体を経ます。

 

 

 

DNAは、分子生物学の手法で加工しやすいのですが、

RNAは そうではありません。

私は、アルファウイルスのような、

RNAからRNAを複製するようなウイルス由来のベクターは存じません。

ウイルスベクターには、LNPは用いません。

「ベクターを簡略化し」「安全にしたもの」が、

レプリコンワクチンではありません。

 

 

 

 

 

現在使用されているワクチンには、

組換えタンパクワクチンはありますが、

生ワクチンで弱毒化を遺伝子組み換えで行っているものは

ないのではないでしょうか。

 

 

 

「組換えタンパクワクチン」はタンパクであり、

体内で増えることも配列が変わることもありません。

それに対し、「組換え生ワクチン」は、「生きている」ウイルスや細菌です。

組換えタンパクワクチンと組換え生ワクチンは、

全く別物と考えてください。

もし、この点を理解した上で、意図的に話しているのであれば、

ミスリードです。

 

 

 

ウイルスに対する組換え生ワクチンとは、

ある意味、

「人工ウイルス」をワクチンとして使うようなものです。

そうした人工ウイルスが体内で増える間に

遺伝子配列が変わることもありますが、

それはレプリコンワクチンでも同様です。

 

 

 

新型コロナウイルスは、研究室において、

培養細胞や実験動物を使用した

機能獲得実験によって作成されたものだと考えられ、

機能獲得実験は問題視されてきました。

そして、レプリコンワクチンは、

まさに「人体を使っての機能獲得実験」を市中で行うことに

他なりません。

 

 

 

レプリコンワクチンの伝播や長期の安全性は、

検証されていません。

そのため、「究極に安全だ」と主張する根拠が不明です。

「危険だと証明されていないので、人体で試してみよう」は許されません。

人々を危険な人体実験に誘導しようとする専門家がいることは、

非常に残念に思います。

私は賛同しかねます。