https://www.japha.org/article/S1544-3191(15)00060-6/fulltext
「処方薬の有害事象としての自殺念慮と自殺行動:薬剤師向け最新情報」
アメリカで処方されている処方薬のうち125種に、
自殺念慮や自殺行動を引き起こす可能性があると、
FDA (アメリカ食品医薬品局)が警告として記載しているそうです。
そして、その多くは、日本でも処方されています。
JAMA(The Journal of the American Medical Association)の研究が、
抑うつ(自殺念慮を伴わない)症状を引き起こす可能性について
調査した薬剤のリストが、こちらです。
うつ病のリスクを高める可能性のある処方薬
鎮痛薬:
シクロベンザプリン(日本では非承認)、フェンタニル (オピオイド)、
アセトアミノフェン (日本のカロナール)、ヒドロコドン (オピオイド)、
イブプロフェン、インドメタシン、モルヒネ(オピオイド)、ナブメトン、
オキシコドン (オピオイド)
降圧剤:
テノーミン、クロルタリドン(日本では非販売)、ベタキソロール、
ベンドロフルメチアジド、ナドロール、ブリモニジン、
ブリモニジン (眼圧を下げる薬)、チモロール (眼圧を下げる薬)、
ドルゾラミド (眼圧を下げる薬)、エナラプリル、ヒドロクロロチアジド、
メトプロロール、ヒドロコドン (オピオイド)、メトラゾン (利尿剤)、
ニソルジピン、キナプリル、ミカルディス、
副腎皮質ステロイド薬 (主に抗炎症や免疫抑制薬):
ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、
メチルプレドニゾロン、プレドニン、レダコート
胃腸薬:
アトロピン、ジフェノキシレート (オピオイド)、
シメチジン (H2ブロッカー)、デクスランソプラゾール、
エソメプラゾール、ファモチジン(H2ブロッカー。ガスター10の成分)、
オメプラゾール
ホルモン/ホルモン修飾剤:
アナストロゾール、ビカルタミド、カベルゴリン、抱合型エストロゲン、
メドロキシプロゲステロン、デソゲストレル/エチニルエストラジオール、
ジエノゲスト、ドロスピレノン、レボメ葉酸、エステル化エストロゲン、
メチルテストステロン、エストラジオール、エストロピペート、
エチニルエストラジオール、エトノゲストレル、レボノルゲストレル、
ノルゲスチメート、ノルゲストレル、エトノゲストレル、エキセメスタン、
ゴセレリン、ヒドロキシプロゲステロン、メドロキシプロゲステロン、
メゲストロール、ノルエチンドロン、タモキシフェン、テストステロン
呼吸器官:
セチリジン (抗ヒスタミン薬)
他の治療薬:
・HIV/エイズ - アバカビル/ラミブジン、エムトリシタビン、マラビロック
・高血圧剤 - アセブトロール、
クロニジン (血液脳関門を比較的容易に通過すると書かれています)、
メチルドーパ、メトラゾン、プラゾシン (交感神経遮断薬)、
プロプラノロール
・乾癬 - アシトレチン
・注意欠陥多動性障害 / ADHD
アンフェタミン (いわゆる覚醒剤の成分)、
デキストロアンフェタミン、デクスメチルフェニデート
・筋肉の収縮 - バクロフェン、オキシブチニン、ダントロレン、チザニジン
・肥満 - ベンズフェタミン、フェンテルミン
・副甲状腺機能亢進症 - シナカルセット
・免疫抑制剤 - シクロスポリン
・認知症/アルツハイマー病 - ドネペジル、ガランタミン
・食欲不振 (HIV/AIDS および癌誘発性) - ドロナビノール
・がん - エルロチニブ、ソラフェニブ
・不整脈 - フレカイニド、プロパフェノン
・統合失調症
フルフェナジン (フルメジン)、ハロペリドール (セレネースなど)
・細菌感染症 - メトロニダゾール
・トゥレット症候群、抵抗性チック - ピモジド
・パーキンソン病 - ラサギリン、ロチゴチン
自殺行動のリスクを高める可能性のある処方薬
鎮痛薬:
アセトアミノフェン (日本のカロナール)、
トラマドール (オピオイド)、ヒドロモルホン (オピオイド)、
タペンタ (オピオイド)、トラマドール (オピオイド)
抗けいれん薬:
カルバマゼピン、クロナゼパム (ベンゾジアゼピン系)、
ジアゼパム (ベンゾジアゼピン系)、エトスクシミド、ガバペンチン、
ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム (ベンゾジアゼピン系)、
メトスクシミド、オクスカルバゼピン、フェニトイン、プレガバリン、
トピラメート、バルプロ酸、ゾニサミド
抗うつ薬:
アミトリプチリン (三環系)、アミトリプチリン (三環系)、
クロルジアゼポキシド (ベンゾジアゼピン系)、アミトリプチリン、
ペルフェナジン、ブプロピオン、シタロプラム (SSRI)、
クロミプラミン、デシプラミン (三環系)、デスベンラファクシン、
ドキセピン、デュロキセチン (SNRI)、エスシタロプラム (SSRI)、
フルオキセチン (SSRI)、オランザピン、フルボキサミン (SSRI)、
イミプラミン(三環系)、ミルナシプラン (SNRI)、ミルタザピン、
ネファゾドン、ノルトリプチリン (SNRI)、パロキセチン (SSRI)、
フェネルジン、プロトリプチリン (三環系)、セレギリン、
セルトラリン (SSRI)、トラゾドン、ベンラファキシン (SNRI)、ビラゾドン
抗不安薬、睡眠薬:
アルプラゾラム
(ベンゾジアゼピン系。商品としてソラナックス、コンスタンなど。参考記事)、
ブタバルビタール、
クロルジアゼポキシド (ベンゾジアゼピン系。コントール、バランスなど)、
クロナゼパム (ベンゾジアゼピン系。リボトリールなど )、
クロラゼプ酸(ベンゾジアゼピン系。メンドンなど)、
ジアゼパム(ベンゾジアゼピン系。セルシン、ホリゾンなど)、
ドキセピン (日本は非発売)、
エスゾピクロン(ベンゾジアゼピン系。ルネスタなど)、
フルラゼパム(ベンゾジアゼピン系。ダルメート、ベノジールなど)、
ペントバルビタール、ラメルテオン、トリアゾラム (ハルシオン)、
ザレプロン、ゾルピデム(ベンゾジアゼピン系の睡眠薬)
胃腸薬:メトクロプラミド
ホルモン/ホルモン調整剤:
フィナステリド、ロイプロリド、レボノルゲストレル、
オキサンドロロン、プロゲステロン
呼吸器系薬剤: モンテルカスト、リバビリン、ロフルミラスト、ザフィルルカスト
他の治療薬:
・アルコール依存症治療薬 - アカンプロサート、ナルトレキソン
・パーキンソン病
アマンタジン、カルビドパ/レボドパ、カルビドパ/エンタカポン/レボドパ
・ナルコレプシー/睡眠障害 - アルモダフィニル、モダフィニル
・統合失調症、躁病、双極性障害
アリピプラゾール、アセナピン、イロペリドン、ルラシドン、
オランザピン、クエチアピン、リスペリドン
・注意欠陥多動性障害 / ADHD
アトモキセチン、メチルフェニデート (リタリン、コンサータなど)
・細菌感染症 - シプロフロキサシン、モキシフロキサシン、オフロキサシン
・ハンセン病 - ダプソン
・HIV/エイズ
エファビレンツ、エファビレンツ/エムトリシタビン/テノホビル、ラルテグラビル
・多発性硬化症
インターフェロン ベータ-1a、インターフェロン ベータ-1b、ナタリズマブ
・重度のニキビ - イソトレチノイン、
・認知症、アルツハイマー病 - メマンチン、リバスチグミン
・マラリア - メフロキン
・C 型および B 型肝炎 - ペグインターフェロン アルファ-2a
・肥満治療 - シブトラミン、
・禁煙補助薬 - バレニクリン
だから、全部 急にやめろとは言いませんが、
気分の落ち込みが 薬に左右されることもあるのだと、
頭に置いておいた方がいいかもしれません。