オランダ政府は、

EUの「ナチュラ2000計画」に従わない農場を

買い取るプログラムを開始しました。

この買い取りプログラムは、

当初、窒素の排出量が多いと判断された

約3,000の個人所有の農場に適用される予定です。

 

 

 

来月から、農家は買い取りを申請できるようになり、

その金額は農地の価値の120%に設定される予定です。

政府は、窒素排出量の多い農家以外に、

酪農家、養豚家、養鶏家に対しても、

閉鎖を条件に、農場価値の100%の配当で買い取る予定。

農民団体 Agractie(アグラクティ)は、

農家が買い取りの対象になるかどうかを確認できる

ウェブサイトが開設されたものの、

排出量の削減など他の選択肢については現時点で説明がなく、

農家が(農地を売るかどうかの)判断できないとして、

今回の発表に懸念を表明しました。

 

 

 

オランダは欧州最大の食肉輸出国であり、

世界有数の乳製品輸出国であることから、

食糧危機が続く中、数千の農場を閉鎖するという動きは、

それを加速させる恐れがあります。

 

 

 

 

 

 

一方、

政府のグリーンアジェンダに対する拒否反応は大きく、

農民たちは過去2年間、

全国で大規模なトラクターによる抗議行動を起こし、

高速道路や重要なインフラを封鎖してきました。

 

 

 

グローバリズム政権への反発から、

今年初めに行われた上院選挙と地方選挙では、

ポピュリストの農民市民運動(BBB)が圧勝し、

それまでゼロ議席だった国内最大政党となりました。

しかし、マルク・ルッテ首相による新自由主義的な連立政権は、

当面の間、政権を維持するだけの支持を集めることができました。

 

 

 

一部の農家は、買い取り制度に参加するつもりはなく、

農地を売らないつもりだと言っています。

この計画の対象となっているヘルダーラント州の農家、

カルバーボア・ベン・アペルドールン氏は、こう述べています。

 

「政策が無いにも関わらず、

 ここ数年で すでに8%の窒素を削減しています。

 私たちは、それでも全然足りないのではないかと心配しています。

 仮に窒素を半分に減らせたとしても、十分ではないでしょう。」

 

「ハーグの政治エリートたちが満足するのは、

 最後の農民がいなくなったときだけだ。」

 

「他の経済が成長を続けられるのに、

 なぜ、私たちが この流れに参加しなければならないのでしょうかはてなマーク

 私たちはただ、存在する権利をくれるだけでいいんです。

 

 

 

※旧ソビエト社会主義共和国連邦(USSR)を引き合いに出しています。