この研究は、

「サンタクララ郡で、どのくらいの数の人がウイルスに感染しているか」

という推定値を出すことを目的としています。

そして、それを調べる方法は、

サンタクララ郡の住民に

コロナに対する抗体ができているかどうかを確認しようとすることです。

 

そこで、サンタクララ郡の住民をサンプルとして、

抗体の有無を評価してもらいました。

サンプルは、検査に来た3300人です。

 

その結果、この郡の人口の2.5~4.2%が抗体を持っており、

これは少し前にウイルスに感染したことを示していると推定されました。

 

-研究結果から、どのような結論になりましたかはてなマーク

 

我々が推定した感染者数(48,000~81,000人)と

公表された感染者数を照らし合わせると、

それらは4月1日頃の同時期にあたることが分かります。

サンタクララ郡で 956人の感染者が報告されましたが、

この時、報告された感染者の数に対して、

実際に感染した人の数が 50倍~85倍になっていることが明らかになりました。

 

つまり、感染致死率(IFR)、

つまり感染したら死ぬ確率が 50~85分の1に低下してしまうということです。

計算上の分母が 50~85倍になるからです。

 

これらの数字を考慮すると、

この新型コロナウイルスの感染致死率は、

季節性インフルエンザと同程度になる可能性が高いことが示唆されます。

 

 

 

 

 

抗体を持っていても、保護されているわけではありません。

その可能性は低いと思われますが、ある一定の期間内に そうなるかもしれません。

 

 

 

検出可能な抗体を持っていなくても、

ウイルスに接触して 何らかの免疫反応を起こし、

何らかの形でウイルスを排除していれば問題がない、という可能性もあります。

 

 

 

予備調査では、

特に若い人では、その多くが、場合によっては大多数が、

必ずしも十分な抗体価を獲得していないことが示唆されています。

 

 

 

でも、それにも関わらず、

その人たちはウイルスを排除し、何の問題もなく、完全に回復するのです。

 

 

 

 

つまり、我々がコロナに対処する能力は、

必ずしも抗体だけに依存しているわけではない、ということなのです。

 

 

 

我々の免疫システムは非常に複雑です。

自然免疫には様々なメカニズムがあり、

おそらく他の方法でウイルスを処理し、

それ以上 リスクを負わないようにすることができるのでしょう。

このことはまだ、もっと深く掘り下げていく必要があります。

 

 

 

我々は、何を保護する必要があるのかを、正確に知る必要があるのです。

 

 

 

その答えによって、ワクチンの将来性も変わってきます。

例えば、従来のワクチンでは、

抗体反応を発生させ、その反応が持続することを確認するのが、一般的でした。

でも、それと同等以上の仕組みがあるのなら、

こうしたことは、さほど重要ではなくなります。

 

 

 

また、もし抗体反応が、

ワクチン接種後しばらくしか持続しないのであれば、

それを目的としたワクチンは、あまり意味をなさなくなります

 

 

 

-そのお話は、とても興味深いです。 

 というのも、言うまでもなく、例えばビル・ゲイツ財団は、

 コロナワクチン70億回分を製造することを計画していますが、

 そして、WHO、CDC、ゲイツ財団の中には、

 ワクチンができるまでは、私たちは外に出られず、

 普通の生活に戻るべきでないという意見もあるようです。 

 つまり、博士は、現時点では、まだ判断がつかないということですよねはてなマーク

 

 

 

私は楽観的に考えたいのですが、

ワクチンができるようになるとしても、

その前に、私たちは通常の生活を取り戻すことができるはずです。

というのも、私たちが議論しているように、

ワクチンを完成させ、大量に生産して、

世に送り出すことができるかどうかについては、

様々な懸念事項があるからです。

 

 

 

私は、ワクチンを大いに支持しています。

私は、これまでのキャリアを通じて、

ワクチンは 科学が人間にもたらした偉大な貢献のひとつであり、

偉大な成功を収めたというメッセージを広めようとしてきました。

我々には、素晴らしい成功を収めたワクチンが、いくつもあります。

 

 

 

だからといって、コロナウイルス用のワクチンで、

必ずしも成功を収められるとは限りません。

我々は、過去に他のコロナウイルスに対する

いくつかのワクチン開発に取り組みましたが、

それらは あまり成功しなかったという事実があります。

 

 

 

猫やその他の動物に感染するコロナウイルスがあるため、

コロナウイルスの動物モデル用にワクチンを開発したところ、

過敏反応を引き起こし、

全くワクチンを与えないよりも被害が大きくなった事例があるのです。

つまり、動物がコロナウイルスに曝されたとき、

ウイルスに過剰に反応してしまい、

ワクチン接種を全くしなかった場合と比較して、

死亡やより悪い結果につながる可能性さえあるのです。

 

 

 

我々は、ヒトの重篤な転帰や死亡につながる

正確なメカニズムが何であるかを理解する必要があります。

 

 

 

 

そして、それぞれの場合で より大きなダメージを与えているのが、

ウイルスそのものなのか、それともウイルスに対する免疫反応なのか

を理解する必要があります。

もし、ウイルスが原因であり、

免疫反応が十分でないことが問題なのであれば、ワクチンが必要です。

もし、免疫系の過剰反応によって、

最終的に肺細胞のような自分の細胞を

誤って破壊してしまうことが問題なのだとしたら、

ワクチンは実は良くないのかもしれません。

 

 

 

要するに、ワクチンは徹底的に精査され、

徹底的に検証される必要があるのです。

そのためには、

そのワクチンが有効であるという確かな証拠、

事態を改善するという確かな証拠、

命を救うという確かな証拠を得る必要があります

そして、これは、一朝一夕にできることではありません。

一刻も早く、このような研究が行われることを望みます。

 

 

 

多くの優秀な科学者が

この分野に取り組んでいることは知っていますし、

私は楽観的でありたいと思います。

でも、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月待っても、

ワクチンができることはないでしょうし、

このような不確実な状況下では、なおさらのことです。

 

 

 

 

CFR(Case Fatality RatioまたはRisk)は、

感染によって死に至る割合で、

分母が確定診断がついた患者だというところがポイント

 

 

 

感染致命割合(IFR:Infection Fatality Ratio or Risk)は、

確定診断された患者ではなく、感染者全員を分母としています

ここで「感染者全員」というのは、

いかなる検査をもってしても見つけ出すことができないので

(かりに全員を検査しても、

 偽陰性の人がたくさん出るので全員は捕捉できない)、

なんらかの方法で推定しなければならないことに留意しよう。