カナダ・マギル大学とイタリア人の研究者たちの論文です。
「好中球の活性化を介した急性炎症反応は、
慢性的な痛みの発症を防ぐ」
発見は、炎症をブロックすることが慢性疼痛につながる可能性があることを明らかに (medicalxpress.com)
こちらは、上記の論文を基にした記事です。
「炎症をブロックすることが
慢性疼痛につながる可能性があることが明らかに」
抗炎症薬とステロイドを使用して痛みを和らげると、
慢性的な痛みを発症する可能性が
高くなるかもしれないとのこと。
つまり、痛みの多くは炎症から来ますが、
「炎症を薬で止めると、痛みが慢性化する」
ということですね。
逆に言えば、
「炎症そのものに、痛みを治していくメカニズムがある」と。
発熱は免疫細胞を変化させ、感染によりよく到達できるようにします (medicalxpress.com)
「体温が 38.5℃以上になって、
初めて体内の有効な治癒メカニズムが発動する」
具体的に言うと、
体温が 38.5℃以上に上がると、
感染症によって起きている炎症部位へ、
炎症を治癒する白血球等が
たくさん送られる機能が発動するということです。
熱ショックタンパク質(HSP)は、
細胞が熱等のストレス条件下にさらされた際に
発現が上昇して細胞を保護するタンパク質の一群
とWikipediaにありますが、
この熱ショックタンパク質の機能は、
38.5℃以上でないと誘導されないんですね。
ここでいう「発熱が病気を治している」ように、
「炎症が痛みを治している」ようだという話です。
マギル大学医学部、歯学部の教授である
ルーダ・ディアチェンコ教授は、
「好中球(体が感染と戦うのを助ける白血球の一種)は、
炎症の初期段階を支配し、
組織損傷の修復の段階を設定します。
炎症は、理由があって発生し、
その炎症を妨げるのは危険なようです。」
と述べています。
イタリアのモンツァ病院のマッシモ・アッレグリ医師は、
「炎症を妨げない他の方法で、痛みをなくすことはできます」
と言います。
◆ステロイド系抗炎症薬
◆非ステロイド系抗炎症薬 (NSAIDs)
は どちらもダメなようで、
市販の解熱鎮痛剤
アスピリン、イブ、ロキソニン、ノーシン、
セデス、ボルタレン、ポンタールなどは
非ステロイド系抗炎症薬 (NSAIDs)なので、
これらを急性の痛みに使用すると、痛みが慢性化するということです。
だから、これらの薬を常用する人は、痛みが慢性化しやすいのかも…
「アセトアミノフェン」は炎症を抑えずに痛みを取る薬ですが、
妊婦さんが飲むと、
子どもが その後、ADHD (注意欠如・多動症)になる率が
有意に高くなるそうです。
本当に、妊婦さんはそこまで気を遣って
生活しなければいけないのに、
今や劇薬が推奨されているんですから、訳が分かりませんね。
初めて腸内細菌にリンクされた線維筋痛症 |技術ネットワーク (technologynetworks.com)
ちなみに、「線維筋痛症」の根本的な原因は
腸内細菌環境の変化にありましたが、
今の過剰な消毒社会がそれらの疾患を増やさないことを祈ります。
その痛みを慢性化させないことも。