◆2011年12月30日
アンソニー・ファウチ博士
(アメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長)は、
鳥インフルエンザウイルスに関する
機能獲得研究を推進し、
その研究はリスクに見合う価値があると主張した。
このリスクは
他のウイルス学に精通した研究者たちに
懸念を生じさせた。
◆2012年
・4月20日:
米ベイラー医科大学の研究者たちが、
SARSの4つのワクチン候補の評価を公開し、
「SARS-CoVワクチンは
ヒトへの適用に注意する必要がある」と結論付けた。
・5月:
世界保健総会で、
ビル&メリンダ・ゲイツ財団が主導する
グローバル・ワクチン・アクションプラン
(GVAP)を194の加盟国が支持した。
ファウチ博士は、
このプロジェクトの評議会の5人のメンバーの1人。
◆2014年10月17日
オバマ大統領の下で、アメリカ国立衛生研究所は、
ウイルスの機能獲得研究(GOF)のための
連邦政府の資金提供を停止すると発表した。
アメリカ連邦政府の資金提供を受けたGOF研究者に
「自発的なモラトリアムに同意する」よう求めた。
資金提供停止は21の研究に適用され、
そこには「ウイルスが哺乳動物への
伝染性を高めるように病原性を改変した
インフルエンザ、MERS、またはSARSウイルス」
なども含まれた。
◆2015年
・アメリカ国立アレルギー感染症研究所は、
ファウチ所長の下で、
5年間で 370万ドル(3億9000万円)の助成金を、
パンデミックを防止する目的で組織された
非政府組織エコヘルス・アライアンスに授与する。
エコヘルス・アライアンスは、
「コウモリのコロナウイルス出現のリスク」
に関する機能獲得研究を実施した。
また、助成金の10%は、
「コウモリのコロナウイルスが存在する
現場でのサンプルの収集と分析」の
大部分を行っていた
武漢のウイルス研究所に贈られている。
・9月24日
ノースカロライナ大学のバリック博士が、
キメラコロナウイルス
(遺伝子構造が作り替えられたコロナウイルス)
のスパイクタンパク質の作成に関する特許を取得した。
・11月9日
バリック博士と武漢ウイルス研究所の石正麗
(中国のコロナウイルス機能獲得の研究者)は、
「機能獲得ウイルス学論文」として最も有名な
合成キメラコロナウイルスに関する論文を
科学誌ネイチャーに発表した。
◆2016年
バイオセキュリティに関する全米科学諮問委員会は、
「政府が資金を提供している機能獲得実験は、
公衆衛生に対する重大な脅威となることはない」
と述べた。
◆2017年
・11月30日
武漢ウイルス研究所の石正麗と共同執筆者は、科学誌で
8つの新しい合成コロナウイルスの作成について
説明した論文を公開した。
・12月19日
アメリカ国立衛生研究所と
ファウチ博士の
アメリカ国立アレルギー感染症研究所は、
停止されていた「ウイルスの機能獲得研究」のための
アメリカ連邦政府の資金提供を回復し、
研究が再開される。
・12月19日
米ハーバード公衆衛生大学院の
マーク・リプシッチ博士は、
ニューヨークタイムズ紙に、
アメリカ国立アレルギー感染症研究所によって
承認されたウイルスの機能獲得実験は、
「パンデミックへの備えを改善するために
ほとんど何もしなかったが、
危険を冒した偶発的なパンデミックを引き起こした」
と寄稿した。
◆2019年
・アメリカ国立アレルギー感染症研究所は、
非政府組織エコヘルス・アライアンスと
武漢ウイルス研究所に、
6年間で370万ドル(3億9000万円)の
新たな助成金を授与し、
コウモリのコロナウイルスに関する
機能獲得研究は継続された。
・10月
米 NBCニュースが
2020年5月にリリースしたレポートは、
「武漢での携帯電話通信の分析によると、
パンデミックは、最初に報告されたよりも
早く始まったことを示唆している」と報告した。
また、米NBCニュースの5月8日の要約は、
「2019年10月7日から10月24日まで、
武漢ウイルス研究所の抗セキュリティ部局での
通信が無かったことから、
その時期に
重大なセキュリティ事象が起きた可能性」を
指摘している。
・10月6日
2020年5月5日、
イギリスとフランスの研究者たちは、
COVID-19は2019年10月6日から始まった可能性があると
推定した研究を発表した。
・10月18日
ビル&メリンダ・ゲイツ財団、世界経済フォーラム、
ジョンスホプキンス・センターが、
イベント201 と呼ばれる
招待制の「卓上演習」を召集し、
世界的なコロナウイルスのパンデミックへの対応を
シミュレーションし公開した。
・11月~12月
イタリア北部の一般開業医が、
「奇妙な肺炎」に気づき始めた。
・12月18日
マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちが、
マイクロニードルを使用して皮膚に埋め込まれた
「量子ドット」と呼ばれる
スマートフォンで読み取り可能な
ナノクリスタルを使用して、
「患者のワクチン接種歴を記録する新しい方法」の
開発を報告した。
この作業は、
ビル&メリンダ・ゲイツ財団から資金提供を受けた。
・12月31日
中国当局が、WHOに
「謎の肺炎」のクラスター例を報告。