新居二日目の朝だ

「ボクは元気」ビーグルだ。
オイオイまだ５時前だぞ。
６時ぐらいになったら「散歩連れてけー」って騒ぎ出そうかと思ってたんだが、
機先を制されてしまったようだ。
お父さんの朝は超早いぞ。
早い分には大歓迎だ。
さー、散歩だ散歩だ。３歩じゃないぞ。

ここはお父さんのご先祖様が入っているお墓だそうだ。
お父さんは毎朝ここでストレッチをやっているそうだ。
別に聞いた訳じゃないが見ればわかる。
アーアー相当股関節固いぞ。
アレじゃ身体回らないし、
ドライバーの飛距離も知れてるってもんだ。

オイこれからもしかして毎朝ここへ連れてこられるのか？
まあいいか。
本人真剣に身体柔らかくしようと思ってるらしいし。
「無駄な努力止めた方がいいんじゃない」
なんてとても言えない雰囲気だ。
でもこれで朝の散歩終わりじゃないだろうな。

オッ！向こうに見える煙は炭焼き小屋ではないか。
今時まだ炭なんか焼いてる人がいるんだなー。
結構いいところじゃないか、この辺も。
それにしてもお父さん、肩胛骨も無茶苦茶固いんじゃない。
でもこれで朝の散歩終わりじゃないだろうな。
終わりかよ！

初めまして

「ボクは元気」ビーグルだ。
今までずっと面倒を見てくれていいたボクの家族は、どうやらボクを飼えない場所に引っ越すことになり、今はこのおばさんのところに預けられている。
おばさんと朝の散歩中に、ジョギング中のおじさんに出会した。一昨日の夜も逢った人だ。
一昨日はボクを見るなりいきなり、
「よし、走るぞ。」といってボクのリードを持って走り出した人だ。
初対面だったがボクも久しぶりに全力疾走（社交辞令だ。ボクが全力疾走したらあんなもんじゃあない。）して気持ちよかった。
朝も早よから二人で立ち話をしているが、どうやら雰囲気的にはこのおじさんがボクのお父さんになるらしい。ま、悪くないんじゃない。