詩のないからだはぬけがらだ
がらんどうのおなかの
音もしない脂肪を毎日少しずつ削り取って生きている
気に入らないなら石でもなんでも投げればいいけどわたしの心には絶対に当たらない
はっきり言ってくれればいい あなたがきらいだと
あなたのその詩はわたしにはいみがわからないと
無関心よりも全力の嫌悪感を示せ
見てからじゃないとわからないその再生ボタンを押せ
見てからじゃないとわからない
その
再生ボタンを
押すんだ
わたしの心にあなたの投げた石が当たってひどい傷をつくるまで
わたしの心が血を流してすすり泣くまで
わたしのことを
ひらいて中身を見てからなら何を言われても構わない
はっきり言ってくれればいい あなたが目障りだと
その違和感の理由をきちんとあなたの中で明らかにしてからなら
わたしを嫌いな理由をわたしの前でちゃんと言えるなら
わたしはいま誰からも知られていない塊
嫌われもしなければ愛されもしない
わたしの心を開くにはわたしの言葉を読めばいい
わたしの心に入り込んできてくれたら
わたしはあなたの手につめをひっかけて
もう2度とわたしを閉じられないように
つかまえてやる
目を逸させないようにしてやる
そうよ
心の中に咲く花はいつでも待っている
次の獲物を
(朗読 1:30くらい)