はがされた、薄っぺらな皮
真っ赤な肉が丸見えになり
釘付けだったたくさんの目が
つぎつぎと逸らされ流れていった
なんでもないただの塊
ものいわぬひとつの虚像
守っていた漆黒の皮はどこ??
びろうどみたいに輝いてたのに
さいごの叫びさえ発することができず
息をのんでこうべをたれた
もう誰もいないよ
誰もお前なんか見ていないよ
消えていくんだよ
土だけが優しく包んでくれる
動き出すことを諦めて扉を閉めた人間なんて
誰だって面倒に思うんだ
支えも頼りも期待しちゃだめだ
土の中だけがやすらぎなのだから
最後に与えられた
ただひとつのやすらぎなのだから