さばくみたいなとこにいた
そこには誰もいなくて
わたしも ただぼーっとして立っていた
つよいかぜがふいて
すなが舞いあがる
かぜは怒るようにいった
なんでまだここにいるんだ
そうしてつよく吹きつけて
わたしのせなかをおした
すこしさきのほうに見えたものは…
目のくらみにすぎないのか
いまかんじるのは
はじまりとおわり
うしなったものは数えたらきりがないが
てにいれたわずかな きらきらのかけらを
にぎりしめてすすむ
せきたてられて
別れもお礼も挨拶もできぬまま
すなでかくされた道によろめきながら
風の吹きつけるままにすすむ
ちゃんとできただろうか
砂時計のなか うもれぬよう
丁寧につみあげた砂の城
こっちからじゃみえやしないけど
そっちからはみえてるだろうか