「生物・・・苦手なんだよね」
そう言ってサボってたあなた
意志が強そうでいて、案外ボーっとしている
そんなとこもすきだった
私だけに見せた、心の隙、甘えた声
なさけないけど、大好きだった
あなたは知らない
いつも居眠りばかりしていた私が
どんな思いで
どんなに必死にノートをとってたか
それがだれのためか
ほんとはだれのためか
あなたは知らない
いつも不真面目なふりをしてた私が
どんな痛みを
どんな気持ちを胸に抱えてたか
それがだれのためか
ほんとはだれのためか
そうしてしらないまま
何も変わることのないまま
いつのまにか
私がいた場所に違う誰かがいた
わたしはしらない
あなたの友達の彼女だと思っていた
あの子の名前も
どうしてそこにいるのかも
コピー機の前 並んで
笑顔で抱えてたノート
わたしはしらない
あなたが急にがんばりだした理由も
あなたの思いも
必要になった時に
渡すはずだったノート
丁寧に描かれた植物や遺伝子
分け合うはずだった
カラーペンでつけられたマークは
わたしだけのものになった
ところどころにかいた
あなたへのメッセージは
あてもなくいろあせてゆく