忙しいとは心を亡くすと書く | 渡辺繁一のブログ

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演出の効果を設計する

2008年の2月ごろ、トンでもない仕事を引き受けていた。

あるプロジェクトのリーダーをしていた。


それは、神戸にある商業施設のリニューアル工事、元々突貫工事だったのだが、ある不具合が元で引き渡しは出来ず、延長戦に突入していた。

作業は夜23時から翌8時、不具合の箇所を直す対策も同時に講じていたので、そのあと朝一で大阪に移動して不具合の是正の対策を立てる。その夜、特急で作らせた金具やパーツが出来上がる、そして23時現場にはいり機材を施工する。そして朝、また対策をたて、大阪に移動、こんなことを5日ほどぶっ通しでやり、やれ2度目の引き渡しだという時に、映像製作チームが映像が納品できない事態が発生。2度目に引き渡しも出来ない。そんな事態を招いていた。

そのときだ、初めて睡眠不足でモノが黄色に見える症状になったのは。睡眠はだいたい電車の移動時間で取っていた、ある日、電車で目が醒めると電車の蛍光灯が黄色になっていた。しばらくすると色な元の色に戻るので最初はびっくりしたが、それもなれてきた、別に死ぬ訳ないし。
それでも、不具合を是正する策がたたない。

わらにもすがる思いでいろんなスキルをもった人や、エンジニアに指導を求めるが、お金だけがかかって適切なるアイデアが出てこない。その状況は文字通り、「忙しい」状況だったと思う、ただそれは「本人だけが」忙しいだけで、他の人はそれが解らないものなのだ。忙しい人はその事すら理解できない、自分の今ある目の前の問題解決の事しか頭に無いのだ。だから、少しでも的外れなイメージの回答があると、攻撃的な反論を翻したりしてしまう。関係があるかないかは他の人がどう思うかだ。自分よりもっとチャンクの広い立場から物事を見ている人がその立場から適切なアドバイスをしたのだが、それが悲しいかなその状況にいた過去の「忙しい自分」はそのことが理解し汲み取ることができなかったのだ。また、いろんな人は様々な立場から適切なアドバイスをしてくれていたと思う。その事も「忙しい自分」気づく事がなかったのだ。そして、いろんな事の気づく感性のアンテナもボコボコに折れていた。これは、文字通り、「心を亡くしていた」。状況と言える。

極端な言い方をしてしまうと、この「忙しい自分」は人間の心を持たぬ野獣だったかも知れない。
野獣になると頭に角(つの)が生えてくる。その角(かど)をとると丸くなる。