日本の大戦艦といえば、駆逐艦から重巡まで甲板にリノリュームが貼ってありました。(戦艦の一部にもありました。)
ちょっと見てみましょうか。
これは阿賀野です。約40年前に開発されたキットですが、リノリューム押え金具が表現されております。そしてその幅は、3ミリです。今のキットは、WLに限らず、フジミでもピットロードでも多少の誤差はあれ約3ミリです。
リノリューム押えの間隔が3ミリって正しくないですよねぇ~実寸だと2.1メートルになってしまいます。リノリュームは、幅1.8メートルの巻物で納入されておりましたから、2.5ミリなら辻褄は合いますけど。
これはWLが企画されたときに、3ミリって決め打ちにしたため、他のキットも追随せざるを得なくなったと解釈しております。単艦なら兎に角、全部を全部引き直すのは事実上無理でしょう。
次に言いたいのは、リノリューム押え金具ですよ。この金具は、幅が約30ミリくらいだったそうです。なので、1/700であれば0.05ミリくらいです。0.05ミリというのは、プラスチック工作の限界を超えています。これを表現するのは、ちょいと前まで0.2~0.3ミリ径の真鍮線か洋白線(又はステンレス線)を使うのが普通だったと思うのですが、今は延ばしランナーを使うのが主流みたいです。それも私の目から見ると0.5ミリは有りそうだし・・・それで良いのか?
0.5ミリだと35センチってことですよ・・・悪目立ちすぎません?よく見れば有るのね・・くらいの表現で良いのでは?じゃぁどう工作すれば良いのかって聞かれます。
私の工作を紹介しましょう。
まず、金具の凸モールドをガイドにして溝を掘ります。この際片側だけに掘ること、そして凸モールドを削り取ります。すると凸モールドだったものが凹モールドに変わります。そして凹モールドをガイドにして、0.2ミリの真鍮線か洋白線を機って並べて接着します。
その後は、サフェーサーを吹いて並べた線の付近を、ゴールドかシルバーを軽く吹いて、その上からリノリューム色をしっかり吹きます。しっかり乾いた後で、線の頭をアートナイフの刃を寝かせてさっとなぞります。すると線の頭だけがちょっと出ますので、それを金具にみたてるのです。
ちなみに金具は、駆逐艦の場合トタン(スチールのプレス?)だったという証言がありますので、それに沿って工作するのなら洋白線でシルバーで・・・
0.2ミリは扱い難い場合は、、エッチングの出番です。最近は結構ありますね。
まずはジョーワールドから。
JPE17です。0.15ミリ×0.15ミリ角になっております。いわゆる角棒なので扱いやすかったです。
他にもあります。
下の方を拡大してみましょう。
1/700ってあまりにも小さいので、なかなか縮尺通りってわけにもいかないのは分かっています。目立ちすぎるのは良くないっ!だいたい0.5ミリなら、航空機の塗装やってた人ならマスキングで十分塗り分出来ます。
噂だと、薩摩塗りの絵付師なら0.1ミリの線だって描けるらしい。測量会社に勤めてる人なら1ミリの間に10本線を書ける(鉛筆か・)らしいです。
どう見ても3センチくらいが正しい!