今回は衆院選挙の結果を踏まえて考えたことを取り上げる。
衆議院選挙は高市首相の人気により与党の圧勝で、それはトランプ大統領が大統領選挙で圧勝したことと重なる。両者とも感情に前面に出す政治家で熱狂的な支持者の存在も共通している。
私は以前の記事で、感情で動く国民が高市首相を支持したと書いたが、大半の国民が感情で物事を判断するようになった背景には、ゆとり教育の影響が大きいはず。ゆとり教育では数学や理科の時間が削られ物事を論理的に判断する習慣が身につきにくいから。
しかしよく考えると、ゆとり教育の背景には教員不足があり、さらにその背景には人口減少が、最終的に日本の斜陽化が根本原因となる。
日本は太平洋戦争後、貧窮から立ち直り高度経済成長を成し遂げた。しかしその後は産業の空洞化をへて貧富の差が拡がった格差社会となり、国民の不満が蓄積。
米国は大恐慌から立ち直り戦後さらなる経済発展を遂げたが、日本と同様に産業の空洞化をへて格差社会となり米国民の不満がたまった。ロシアはソ連崩壊後の悲惨な状況から石油や天然ガス等の産業が発展を遂げたが、その恩恵は一部の富裕層にとどまっている。中国も経済の自由化により著しい経済成長を遂げたが、都市部と農村部の所得格差は埋まらず、最近の深刻な不況も加わり国民の不満が増している。
このように日本と米国とロシアと中国は似た状況にある。
しかしその対策は国により異なる。米国のトランプ大統領は不法移民を摘発排除し他国に関税をかけることで財政赤字と貿易赤字を縮小させ国民の雇用と収入を増やそうと試みた。ロシアのプーチン大統領は隣国への侵攻を通じて国民の目を外に向けると同時にウクライナ戦争に勝利する為に国民の結束を呼びかけた。中国の習近平国家主席は台湾奪回と日本の軍国主義への反発を訴えて国民の団結と不満の解消を求めた。しかし習主席には疑問点がある。
その疑問点だが中国は数年前から海軍力を充実させている。それなのに軍事演習で圧力をかけるだけで何年たっても台湾侵攻を実行しない。それが不思議で、もしかすると台湾は習主席の眼中になく、台湾奪回や反軍国主義は国民の団結を促す手段に過ぎないのかもしれない。本当の目的は月と火星の領土化であり強大な宇宙軍を創設して宇宙の覇権を握ることなのだろう。
私は以前の記事で、台湾有事の際に派遣した護衛艦隊が中国海軍と交戦状態となり壊滅的な被害を被った際に、ロシアは好機とばかり艦艇に兵士を載せ北海道に侵攻、他の艦艇に北朝鮮兵を載せ佐渡に侵攻、中国海軍の一部は九州に侵攻という場合を想定した内容を書いたが、中国が台湾侵攻に興味がなく台湾有事が発生しない場合は、その心配は杞憂に終わる。
中東では恒例の軍事衝突が発生。ハメネイ師死亡、ホルムズ海峡封鎖のニュースもあり、原油価格上昇から物価高騰につながるかも。
さて日本の場合を考えよう。
日本の政治は、生活苦や格差社会を解消する手段を国民に提供できずにいた。
先月の衆院選挙のお題目は与党と野党でほぼ同じ。唯一の差は軍国主義を肯定するか否定するか(それが国論二分政策、後ほど説明)という点だけで、とちらでもない曖昧な結果になると私は予想。無党派の私にとっては当然の予想で、だから選挙後に敵を減らす目的で日中関係を修復すべきと記事に書いた。
ところが結果は、歴史的な与党の圧勝。
選挙期間中、与党はSNSで短いメッセージを大量に流して、それが効果を発揮したという。私はSNSを使わないので、直接そのメッセージを見たことはないが予想はつく。おそらく、"勇気をもって敵に立ち向かい日本国の誇りと威信を取り戻そう"、というような内容だったのではなかろうか。
具体的なメッセージが何であったにせよ、有権者が抱いたイメージはこんな感じだと想定し、その上で論理的に話を進める。
敵とは野党だけでなく明らかに中国を含み、中国に立ち向かい国の誇りと威信を取り戻すことが、生活苦や格差社会に悩む国民の不満を解消する有効な手段となった。
このメッセージは、中国に対抗できる国を目指そう、という意味にもとれる。中国に対抗するとは経済面だけでなく軍事面も含まれ、必然的に軍事大国を意味する。ただ日本は広い領土を持たないから帝国とは言えず軍事大国になるには軍国主義を採用するしかない。
中国やロシアからの軍国主義という批判に対して高市首相は自ら反論してないから軍国主義を認めたのに等しく、高市首相への投票は軍国主義への支持となる。高市首相の人気投票は軍国主義の人気投票でもあり、首相自身がその判断を国民に問うため国論二分政策と言及。トゲのある軍国主義という言葉をわざと隠したのは見事。
以上、屁理屈と言われるかもしれないが、論理的に考えたらこうなる。
白紙の委任状という指摘があったが、論理の火を使うと、何も書いてない白紙に、軍国主義へ復帰という文字があぶりだしで浮かび上がる。
そして圧勝により、国民の総意として軍国主義国に戻ることが正式に決まった。
選挙での一時的な選択や人気の反映という見方も出来るが、あまりに差が大きく、状況から考えても不自然。全国民がいいねの数で判断するボンクラ(自分の意見を持たず流行に従うだけの人)なら話は別だが、そこまで愚かではあるまい。
軍国主義で一致団結というのが正しい受け止め方だと私は考える。百歩譲って有権者が自覚せずに投票した結果だとしても、それほど軍国主義が優勢で身近な存在になったことは事実。被団協は別として日本では平和運動が廃れて久しい。その反面、水面下で軍国主義的な機運が少しずつ高まり、今回の選挙で一気に表面化したのだろう。
今回の選挙は、軍国主義へ戻る転換点であり、令和の歴史的出来事となった。
以前にも書いたが私の見方では、富国強兵を掲げた明治維新は軍国主義に分類され、維新の会は自民党とともに軍国主義で与党にふさわしい。まさに勝てば官軍。
主な野党に関しては、軍国主義へ戻る転換点に立ち会い大幅に議席を減らしたが、政治家の責任ではなく時代の変化のせい。
米国と中国とロシアは帝国主義で日本は軍国主義、世界的に見ても民主主義は選挙制度として残るだけの形骸化した廃墟となった。その意味で米国も中国も大差ない。
過去の日本軍が軍国主義に基づいて実行した行為は非難されるべきだが、明治維新のような軍国主義に対して私は中立的立場で賛成でも反対でもない。鎖国で時代に遅れた状態からの脱却や斜陽化した国への対策としては妥当という見方も出来る。
また中国、ロシア、米国という強大な軍事力を持つ帝国に周囲を囲まれている以上、新たな軍国主義的侵攻は不可能でもある。
ただ軍国主義国の実現には、いくつかの段階が必要で、以下にそれを列挙しよう。
1.憲法改正
2.核武装
3.徴兵制の復活
4.反軍国主義思想の弾圧
1.の憲法改正は、高市首相の施政方針にもあった内容で日本国憲法に自衛隊を明記すること。台湾有事から考えて集団的自衛権の明記も必要となる。だたしこれだけだと国の誇りと威信を取り戻すには不十分だ。
2.の核武装に関しては、ロシアと北朝鮮に加え中国が敵となったわけで、その三国はいずれも核兵器を保有している。三国が連携して日本に向けて同時に核ミサイルを発射しないとも限らない。だから日本も非核三原則を廃止して核兵器を所有し、核ミサイルをすべての都道府県に配備して、核攻撃に対して十分に反撃できる体制を整える必要がある。そうしないと安心して夜も眠れない。
戦時中、日本もドイツも核分裂を利用した爆弾の研究をしていたが、米国に先を越された。だから軍国主義にとって核兵器は必要欠くべからざる兵器だ。ドイツではハイゼンベルグが核の研究に従事し、米国では映画にもなったオッペンハイマーやファインマン等が研究と、量子力学の天才達が集結していた。
3.の徴兵制の復活については、先程も書いたようにロシアと北朝鮮と中国が連携して三方から日本に同時に侵攻してくる場合が想定されるが、それに対抗する為には強力な軍事力とともに相当数の兵士が必要不可欠。つまり徴兵制が必須だ。
漫画"沈黙の艦隊"のように、現代の若者は軍隊をクールでカッコいいと考えているから、多数が志願してくれるはずだが、少子化の状況では、まったく足らない。
結局、戦前のような強制的な召集令状つまり赤紙が登場し、18歳から65歳の男性に届くようになるだろう。まだ不足なら女性が含まれる場合もあり得る。年齢性別を問わず生活保護受給者に兵士として従軍してもらう手もある。ただ心身共に健全な国民が条件で徴兵検査を通る人は案外少ないかも。
その状況は国により様々だが、韓国にも徴兵制があり珍しくはない。
この段階になると自衛隊は陸軍、海軍、空軍に名称変更され、中国に対抗してJAXAを含む宇宙軍も誕生するだろう。海兵隊もあり得る。
最近の戦闘はドローンを使ったリモートタイプが多いから、シューティングゲームを得意とするゲーマーが優秀なリアル兵士になれる。必然的に軍人は尊敬の的で、根暗なゲームオタクがヒーローに。
宇宙軍は、機動戦士ガンダムや宇宙戦艦ヤマトの世界、マジカッコいい、軍国主義最高、と感じる人も多いはず。
だから元気な高齢者も兵士に志願してくれるだろう。無論、私には無理。
なお徴兵制の実現には、更なる大幅な憲法改正が必須。
長期間の戦争に耐えられる十分な数量の武器、弾薬、ミサイルの備蓄も必須。
そしてこの段階になって初めて、日本国の誇りと威信を取り戻すことが出来た、と実感できる。
ヤマトやガンダムは軍国主義の先駆けだったことが、今になって理解できる。
軍国主義が自然に発生して成長する環境が日本には存在するのか、または日本人の遺伝子に組み込まれているのか。もし環境であれば、韓国の唐辛子に比べて日本の唐辛子は辛味が強いというから日本の火山性の土壌か、噴火や地震が多発する国土か、湿度や降水量や寒暖の差が大きい気候か、様々な複合的要因か。
高市首相は現代の軍国主義の象徴的存在だが、軍国主義の原因ではなく、その隆盛の波に乗っただけ。
何年かかるかわからないが、高市首相には軍国主義国のリーダーとして、この段階まで続投してもらわないと。ただ高市首相が途中で降板しても、その後継者が仕事を引き継ぐだろう。
なお軍国主義には別の側面もある。
4.反軍国主義思想の弾圧がそれで、スパイ防止法や治安維持法に基づき反軍国主義思想を持つ人々を発見して拘束し処罰する組織、戦前の特高警察(特別高等警察)のような組織が誕生し活躍するようになるに違いない。
反軍国主義者を見つける為に、監視カメラをフルに活用して国民の行動を逐一監視する地方行政と中央政府。ジョージ・オーウェルの小説"1984年"に描かれたような時代が到来する。
今回の軍国主義では、世界情勢はそのままに社会だけが戦前に戻る、という結果に終わる。ただそれは敗戦により米国に民主主義を押し付けられる以前の日本本来の姿、明治維新で採用された富国強兵で故事の臥薪嘗胆にも通じる。自主憲法を含め戦前に戻ることは自民党の悲願であり靖国神社参拝がその象徴的な行動。
何度もいうように、軍国主義は明治維新の富国強兵と同じで、下剋上や戦国乱世が好きな日本人の自然な発想だ。逆に民主主義は、個人の確固とした自立意識が要求され、長い物には巻かれろや親方日の丸等の上下関係に慣れた庶民には馴染みにくい発想。
令和の軍国主義とは、戦後に強制された民主主義の自由平等と基本的人権の概念から解法されて、日本古来の精神世界と戦前の貧しくても誇りと威信に満ちた時代に還ること。
その後、軍国主義国となった日本に何が起こるのか見通せないが、大半の庶民には民主主義と軍国主義とは大差なく、その実生活も変わらないだろう。
私事になるが、日中戦争に従軍し無事帰還した亡父は軍歌が好きだった。私も子供の頃から聞かされ、今でも少しは曲と歌詞を覚えている。当時から、軍国主義とはこんなものか、というイメージを軍歌を通して感じ取っていた。
どうでした、私の空想の未来は? ちょっと真面目過ぎるか。
子供の頃から空想にふける癖があったが、軍国主義に対して十分な知識を持つ必要があるは確かだ。
国民の自覚やニュースの有無に関係なく底流としての軍国主義は確固とした存在で、日本の方向性が決まったから時事関連ネタは当分お休み。
あと、この記事を書き終わって、説明不足かな、と感じる点があるので補足を2つ。
*自国の誇りと威信を取り戻すことがなぜ軍国主義になるのか。その論理的な説明は済んでるので、感情で動く人向けの直感的な説明だが。
誇りと威信を取り戻すの意味が実力行使の意味に近く、暴力反対や戦争反対の意味とは逆であることは誰の目にも明らか。そして実力行使は意味的に軍国主義に似ている。軍国主義という直接的な表現を使わずに、当たり障りのない同類語で感情をくすぐり共感を誘う、実に洗練された手法だ。
今回の選挙の争点からいっても、誇りと威信を取り戻すから軍国主義、となるのは自然な流れ。勿論、選挙の争点さえ意識せず、言葉の雰囲気で"了解"、とした人も多いだろうが、その雰囲気自体が軍国主義の世情を表している。
誇りと威信とは日本民族の誇りと威信で、他民族を軽視し日本民族の決起を志すのは右翼化の重要要素。そして右翼化と軍国主義は等しい。
*セクハラやパワハラと同じで、本人が否定しても相手がそう感じて主張すれば、その評価を覆すことはほぼ不可能。同様に他国が軍国主義と判断すると、その判断を覆すことは非常に難しく、中国やロシアには敵役を演じてもらうしかない。
なお米国の新聞には選挙結果を歓迎する一方で日本の右翼化を懸念する記事もあるという。右翼化は軍国主義を意味しその認識は中国やロシアと一致する。
これらの右翼化や軍国主義という指摘は、日本の実情を的確に表現している。
当然ながら、国と国との関係は人間関係と同じで面倒くさい、慎重に言葉と行動を選ぶ必要がある。
ああ、その点でも、高市首相とトランプ大統領はよく似てるな。勿論、逆の意味で。
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今回の弦理論の本は、2章の"2.4 相対論的なエネルギーと運動量"です。
第2章 特殊相対性理論・光錐座標系・余剰次元
2.4 相対論的なエネルギーと運動量
特殊相対性理論での点粒子の静止質量mと相対論的エネルギーE、相対論的運動量pとの間には、次の関係がある。
(2.67) E^2/c^2 - p・p = m^2c^2
この式でpはベクトル、"・"はベクトルの内積を表す。それ以外はスカラー。勿論、cは光速。
相対論的なエネルギーEと運動量pは静止質量mと速度vを使って、
(2.68) E = γmc^2, p = γmv
と表される。γは以前の説明で出てきたγ=1/√(1-β^2)=1/√(1-v^2/c^2)。
計算練習 2.4 上のEとpの式が式(2.67)を満たすことを示せ。
この計算練習をやってみよう。
E^2/c^2 - p・p
=(γmc^2)^2/c^2 - (γmv)^2
=(mc)^2γ^2(1 - v^2/c^2)
=(mc)^2(1 - v^2/c^2)/(1 - v^2/c^2)
=m^2c^2
これで(2.67)満たすことが示せた。
次にエネルギーEと3次元の運動量ベクトルp=(p^1,p^2,p^3)=(p_x,p_y,p_z)を使い、4次元の運動量ベクトルを定義しよう。
(2.69) p^μ = (p^0,p^1,p^2,p^3) = (E/c,p_x,p_y,p_z)
このp^μを運動量4元ベクトルと呼ぶ。4元ベクトルとは4次元ベクトルの意味。
(2.68)式を使うと、以下となる。
(2.70) p^μ = (E/c,p) = mγ(c,v)
この(2.70)式のpは3次元空間の運動量ベクトルで、vは3次元空間の速度ベクトル。
以前に出てきた(2.28)式b_μ=η_μνb^νのη_μνを使い、
η_μν=
(-1 0 0 0)
( 0 1 0 0)
( 0 0 1 0)
( 0 0 0 1)
上付き添字のp^μを下付き添字のp_μに変えると、p_μ=η_μνp^νから
(2.71) p_μ = (p_0,p_1,p_2,p_3) = η_μνp^ν = (-E/c,p_x,p_y,p_z)
となる。上式は行列η_μνとベクトルp^νの積。
p^μとp_μの積(ベクトルの内積)をとると、
(2.72) p^μp_μ = -(p^0)^2 + p・p = -E^2/c^2 + p・p
勿論、上式ではμについて和をとり、ベクトルの内積はスカラーとなる。
この式に(2.67)式を使うと、
(2.73) p^μp_μ = -m^2c^2
となり、これをLorentzスカラーと呼ぶ。Lorentz座標系にいる観測者が同じ粒子を観測した際の静止質量はすべて同じで、この2つのベクトルの積を相対論的なスカラー積と呼ぶ。相対論的なスカラー積を改めて書き直すと、以下となる。
(2.74) p^2 ≡ p・p = -m^2c^2
以上が、相対性理論におけるエネルギーと運動量の関係の説明となる。
次に固有時間について説明しよう。
特殊相対性理論での固有時間(proper time)というのは、着目する事象の点がたどる軌跡上のLorentz不変な時間の測度を意味する。Lorentz不変とはLorentz変換を受けても変わらないことを指す。2つの事象の点を考えて、それぞれの事象の点が異なる軌跡上に存在すれば2つの事象点の固有時間は異なるが、2つの事象点が同じ軌跡の上に存在すれば2つの事象点の固有時間は同じになって、それぞれの事象点で測った経過時間も等しくなる。
横軸にx、縦軸にtをとって、x軸方向に一定速度vで運動する点粒子の軌跡に沿った不変距離dsを考えると、
-ds^2 = -c^2dt^2 + dx^2
であり、dx=vdtを代入すると、
-ds^2 = -c^2dt^2 + v^2dt^2 = -c^2dt^2(1 - v^2/c^2) = -c^2dt^2(1 - β^2)
よって、
(2.75) -ds^2 = -c^2dt^2 + dx^2 = -c^2dt^2(1 - β^2)
この点粒子上のLorentz座標系を考えて、一緒に運動している時計で測った距離である不変距離を計算すると、dx=0なのでdt=dt_pは経過した固有時間に相当する。だから不変距離は、
(2.76) -ds^2 = -c^2(dt_p)^2
となる。
以前の(2.20)式ds≡√(ds^2) if ds^2>0 (timelike interval)のように、(2.76)式からマイナス符号を取り平方根をつくると以下となる。
(2.77) ds = cdt_p
上式は、時間的(timelike)な不変距離では、ds/c(=dt)が固有時間の間隔あるいは単位を表しているとされる。
次に、(2.75)式のマイナス符号を取り平方根をつくると以下となり、
ds = cdt√(1 - β^2)
γ=1/√(1-β^2)を用いるとds=cdt/γからγds=cdt、さらにγ/c=dt/dsとすると、
(2.78) ds^2 = cdt√(1 - β^2) → dt/ds = γ/c
となる。
特殊相対性理論では3次元の速度v(つまりβとγ)は一定だからdsも不変であり、dsはLorentz不変量となる。Lorentzスカラーでもあるdsを使いLorentz位置ベクトルdx^μから速度4元ベクトルu^μをつくろう。
dsとdx^μの比をとると、
(2.79) u^μ = cdx^μ/ds = c(d(ct)/ds, dx/ds, dy/ds, dz/ds)
この式では、位置ベクトルをdx^μ=(d(ct), dx, dy, dz)とした。
光速の因子cは、ds=cdtまたはds=cdt√(1 - β^2)とdsにcがかかっていることから付加されたと考えられ、結果的にu^μに速度の単位を与えている。
次に、式(2.79)のu^μのx座標成分u^x=cdx/dsを計算しよう。
dxをdtの変数と考えるとdx/ds=(dx/dt)(dt/ds)で、dx/dtはx軸方向の速度だからdx/dt=v_xとなり、dt/dsは(2.78)式からdt/ds=γ/cとなるので、
(2.80) dx/ds = (dx/dt)(dt/ds) = v_xγ/c
となる。
この(2.80)式のdx/dsを、(2.79)式のx座標成分u^xに代入すると、
u^x = cdx/ds = c(dx/dt)(dt/ds) = cv_xγ/c = v_xγ
となる。同様に、
u^y = cdy/ds = c(dy/dt)(dt/ds) = v_yγ
u^z = cdz/ds = c(dz/dt)(dt/ds) = v_zγ
以上のu^x,u^y,u^zを(2.79)式に代入すると、
u^μ
=cdx^μ/ds
=c(d(ct)/ds, dx/ds, dy/ds, dz/ds)
=(cd(ct)/ds, cdx/ds, cdy/ds, cdz/ds)
=(cd(ct)/ds, v_xγ, v_yγ, v_zγ)
光速cは定数だからcd(ct)/ds=c^2dt/dsとなり、(2.78)式からdt/ds=γ/cなので、c^2dt/ds=c^2γ/c=cγとなり、最終的にu^μは、
(2.81) u^μ = γ(c, v_x, v_y, v_z) = γ(c,v)
となる。ここでv=(v_x,v_y,v_z)は3次元速度ベクトル。
以前の(2.70)式p^μ=mγ(c,v)を思い出すと、(2.81)式から、
(2.82) p^μ = mu^μ
と書ける。
この(2.82)式から運動量4次元ベクトルp^μは質量mと速度4元ベクトルu^μの積であることがわかる。
一般に4元ベクトルはLorentz変換により4次元位置ベクトルx^μと同じように変換されるので、x方向に等速推進(ブースト)された場合のp^μの変換は、(2.36)式のx'^0=γ(x^0-βx^1),x'^1=γ(-βx^0+x^1)と同様に変換される。
以前の(2.69)式p^μ=(E/c,p_x,p_y,p_z)を使い、x^0=E/c,x^1=p_xを代入すると、
x'^0=E'/c=γ(E/c - βp_x)
x'^1=p'_x=γ(-βE/c + p_x)
となって、結局、
(2.83) E'/c = γ(E/c - βp_x)
p'_x = γ(-βE/c + p_x)
と表される。
以上で、"2.4 相対論的なエネルギーと運動量"が終わったので、今回はここまで。
注意: (2.67)のように番号が付いている数式と計算練習の文章は以下の書籍からの引用です。
初級講座 弦理論 基礎編 B.ツヴィーバッハ著 樺沢宇紀訳 丸善プラネット 初版
それ以外の数式と説明は私が作成したものなので、ミスや間違いが含まれる可能性があります。