『消費税と付加価値税』 | 翻訳家の毎日

翻訳家の毎日

翻訳の仕事や勉強の話、読んだ本について


asahi

(朝日新聞はデジタル版を愛読。紙面仕様があって、読みやすい)


*****


朝日新聞で、税率についての興味深い記事を読んだ。


11月22日朝刊と11月23日の天声人語。


日本では、消費税の軽減税率が今話題となっているが、欧州には、それに似た付加価値税(VAT)というものがある。


消費税については、私は一律ではなく、品目ごとに税率を変えることに賛成な立場。


基本的には、生活必需品には低い税率、ぜいたく品には高い税率が適用されるべきだと思っている。


だから、たとえば、食料品でも、野菜、肉、魚、米などは税率0%、駄菓子などは税率10%、酒は税率20%といった具合だ。


いやこの際もっと細かくして、きのこは0%、まつたけは20%とか?(笑)


そう、この線引きが、どうやら非常に難しいらしい。


11月23日付の天声人語では、英国で実際にあった租税裁判なるものを紹介していた。


企業にとっては、提供するモノやサービスに課せられる税率は低い方がいい。だから、うちのこの商品は、こういう理由からして、より低い税率が適用されるべきだと訴えるのだ。


その例として挙げられていたドミノ・ピザの裁判には笑ってしまった。


企業側の主張は、「当社のピザは熱々ではない。注文の時点では冷たい。冷凍ピザと同じく非課税に」。


訴えは退けられたそうだが、なんだか顧客が離れていきそうな言い分である。


裁判に使う時間と労力とお金を、熱々のピザを消費者に届ける技術・サービスの向上に使ってほしいものだ。


そういえば、『オリガミ・ヨーダの研究レポート』を訳しているとき、ヴァージニア州のVATを調べたことがある。


そのとき、同じソフトドリンクでも、スーパーで買うより、自動販売機で買う方が税率が高いと知って驚いた。


確かに、スーパーで買うより、自動販売機で買う方が、もったいない感というか贅沢感がある。


『目で見る経済』を訳したときには(決して訳書宣伝の意図はなし)、税金制度を使って、政府は国民の行動を変えることができると知った。


たとえば、喫煙者を減らしたい場合は、煙草に高い税率を課したり、肥満を減らしたい場合は、脂肪分の多い食品に高い税率を課したり、逆に、野菜をもっと食べてもらいたい場合には、野菜の税率を0%にしたり。


*****


よくニュースになるTPPも、関税が大きな問題となっています。


これも、詳しく調べてみると、色々と面白いのでしょう。


そういえば、私が大学生のとき、アメリカのりんごが入ってくると大騒ぎになりました。


確かに安かったけど、まずかった。


そして、今、普通のスーパーでは、アメリカ産りんごは、まず見かけません。


市場原理により、淘汰されたのではないかと……。


安い輸入ものが入ってきても、国産は質で勝負できる気がするのですが、そんな単純な話ではないのでしょうか。