楽曲解説もついに最終回となりました。


どうでしたか?楽しんでもらえましたでしょうか?


ちょうど発売から1週間が経ち、みんなの耳にも少しづつ馴染んできた頃かと思います。ぜひたまに読み返して聴いてみてくださいね。














01. Kissing
02. Just For You ~君だけが僕の未来~
03. F&R
04. みんなのうた
05. Milky Way ~眠れない夜は~
06. ジュリエット
07. PASSION
08. Wanna Be Your Only One / MAY'S×SHIKATA
09. チョコレートガール
10. 結婚しようよ
11. PaPa
12. シンデレラ











Self Liner Notes >>> Vol.4
結婚しようよ

---女性からプロポーズソング

女性から男性へ送るプロポーズソングです。アレンジもゆる~いサーフミュージックをイメージしてみました。海辺でギターを弾きながら口笛を吹いてる絵が想像できるでしょ?さてさて、"プロポーズソング"っていうと、甘くてロマンティックな歌詞が浮かぶと思いますが、この曲はかなりグイグイです。「おいコラ、いい加減覚悟決めろや」という女性の熱い想いが込められています(笑)今の時代ならではの歌詞ですよね。実際に僕の周りの既婚者も、奥さんからプロポーズをしたっていう話をよく聞きます。ファンの方からも「さっそく彼にこの曲を聴かせたいと思います!」なんて声もありました。この曲のようなモヤモヤを抱えてる女子は、ぜひカーステでさりげなくかけてください(笑)

そうそう、実はこの曲のボーカルはしっかりレコーディングしたものではなく、デモのテイクなんです。時間がなくてとかそういう理由ではなく、もちろんちゃんとレコーディングをしました。でもいくらやっても、このデモのゆるさを超える事ができず(笑)最終的に全てデモのテイクを使ってしまいました。自宅スタジオでやってるとそういう事ができるのでメリットですよね。

余談ですが、今回のアルバムのボーカルレコーディングは全て僕の自宅スタジオで行っていて、録りも全て僕がやっています。機材も場所も人材も同じ、環境が毎回同じって実はボーカルの精神面において非常に大事な事なので、そういう意味でも舞子も今回はリラックスしてレコーディング出来たんじゃないかと思っています。







PaPa 

---全国のお父さんへ送ります。

今作唯一の"家族愛"を歌った楽曲ですね。はい、タイトル通りお父さんへの想いを綴った歌になります。MAY'Sにはインディーズ時代の名曲で『MaMa』という楽曲があります。こちらは舞子がお母さんへ送った歌ですね。リメイクVerがベストアルバムに収録されていたり、ライブでもよく歌うので知ってる人も多いんじゃないかな?そんな『MaMa』を作った2005年当初、よく言われたのは「お父さんの歌はないんですか?」でした。とくにお父さんご本人からよく言われました(笑)

『MaMa』を書いた時にも言っていましたが、こういう題材の曲って、音楽人生で1度しか書けないんですよね。そんなに何曲もお母さんやお父さんの曲を書いたら説得力ないですし。舞子としても「いま書きたい」と思うタイミングを待っていたといいますか。子供の時って、親から心配される事のほうが多いと思うんですが、大人になるとそれがどんどん逆になるんですよね。ちょっと風邪ひいたりするだけで「大丈夫かな?」って心配になったり。一家の大黒柱であり、"強い象徴であるお父さん"が、ちょっとだけ可愛く見えた瞬間が、この曲を書くタイミングだったのかなって思います。

ちなみにあんまりインタビュー等でも話した事ないんですが、実はこの曲の歌詞は"嫁ぐ日の朝"がテーマになっているんです。冒頭の「「たまには電話しなさい」と呟いた声に「そうだね」って返す いつもより静かな朝でした」というフレーズが、そんな1日を感じさせますよね。だから終わり方も「それじゃあまたね お父さん」だったりします。そんな裏テーマ?でした。







シンデレラ

---ガラスの靴を脱ごう。さよなら王子様。

今作のラストを飾る、最高に切ないラブソングです。音源化に先がけて、1年ほど前からライブでちょこちょこ披露していたので、MAY'Sクルーの中では"伝説の名曲"といった感じでしょうか。ライブでは僕もピアノを演奏したりして、そういう意味でも思い入れが深い1曲ですね。そしてあまり知られていませんが、僕が歌詞を書いています(笑)

ちょうどこのトラックを作っている時に、女友達から恋愛の相談?愚痴?を聞く機会があって、それをもとになんとなく作ったのがこの曲でした。そんな"なんとなく"作った曲なんですが、舞子に初めて聴かせた時、感動した舞子がボロボロに号泣していたのを覚えています(笑)

とくに自分で気に入ってるフレーズは冒頭部分の歌詞ですね。「朝起きたらいつもは あなたを思い出すのに 今日は私の記念日 "思い出さなかった記念日"」という部分。映画やドラマでもそうですが、オープニングって大事ですよね。"今日はあの人の事を思い出さなかった"って言ってる時点で思い出してるんじゃんっていう切なさもあり。前に踏み出しているようで踏み出していない、心の葛藤をオープニングで表現できたと思っています。

どちらかというと肉食系ではない、臆病で自分に自信のない、"普通の女の子"を主人公にしています。朝仕事に行って、家に帰ったら音楽やテレビを見て、いつのまにか眠ってしまう。そんな繰り返しの毎日の中で出会った恋。一瞬で全てが輝く瞬間。そんな輝いた日々さえも、いつのまにか慣れてしまって。自分では大事にしてるつもりでも、終わってから魔法にかかっている事に気付いて...。恋の喜びも、別れの悲しみさえも、うまく表に出せない人って多いと思うんです。そんな大人しい女の子が、その心の叫びを爆発させる瞬間が、「ドアをノックして~」の部分だと思っています。

アルバムの最後を切ない曲で締めくくるのって、ちょっとMAY'Sっぽくないかな?とも思ったんですが、ぜひまた1曲目の『Kissing』に戻って、"終わらない恋の物語"を感じてください。