皆様、おはようございます。
今日は表題の件でお知らせです。
結論から申し上げますと、
今後、固定種の頒布の予定は暫くありません
⓪経緯
今年1月に発行された「たねの森」さんのカタログに
・種をお分けします
・苗の販売を行っています
を載せていただきました。
・少しでも固定種の種の存在が広まるといいな
・固定種野菜を育てる方が増えるといいな
・当農場から旅立った種が全国に広まるといいな
そんな思いから始めました。
先ず春先から今日(9月上旬)までやってみて、
「苦労して取った種なのに…」など、私の思惑がはずれ、正直がっかりしたことの方が多かったです。
本日まで、全国にお送りした種は100件弱。
これは大体見込み通りでした。
こちらの種の在庫量もありますし、多くの方の手に渡したかったので、ほんの少量ずつ、15粒ずつのお渡しでした。
それでもトマトなど人気の種は、早々に手元からなくなりました。
数種類ご希望される方もいれば、
「あるもの全部ください!」という方もいました。
①「初心者なので」という言葉
初心者でも全く構いません。
しかし不勉強すぎて辟易する場面が何度となくありました。
自分では何も調べず、「いつ種播きをするのか分からないので教えてください」など、1から何でも聞いてくるのです。
「聞いた方が早いから」という その安易な行動は、私の時間を奪っていることに気付いていますか。
皆さんも知らないお店に初めていく場合、
場所は勿論、営業時間や店休日は最低でも調べますよね。
お野菜も然りだと思うのです。
自分で調べてみて、それでも分からないことがあれば質問してください。
探究心・知的好奇心のない人に、お野菜の栽培は不向きだと思います。
何故なら、
お野菜の栽培は探究心の連続(日々探究・日々向上)だからです。
②クレクレと簡単に言いすぎる人
「初心者です」と言いながら、十数種類の種を欲しがる人もいました。
「この人、こんなに貰って行ってちゃんと育てられるのかな?交雑させないで種取りできるのかな?」と不安になりました。
案の定、「育ちませんでした」のご報告をいただきました。
種取りは時間と手間が掛かる作業です。
固定種の種は貴重です。
動画にもしているのですが、なかなか伝わらないものですね。
③反応が無い
種をお送りした際に「質問があったら遠慮なくください・生育のレポートをお待ちしています」と一言添えたのですが、近況をご報告くださったのはほんの数名でした。
YouTubeを利用した会員専用の質疑応答動画の作成を考えていたのですが、質問がなかったので動画が作れませんでした。
せっかく頂いた「採種基金」ですが、動画作成に関しては活かせずに終わってしまいました(発送用の封筒購入費など消耗品に充てさせていただきました。ありがとうございます)。
また、一部の方から「動画って見ないんですよね…」というお言葉も。
それもまた残念ですが、ライフサイクルの違いですので致し方ありません(私がテレビを見ないのと一緒?)。
④発芽すらしなかった?!
私は皆さんと同じ種を播いて収穫・種取りまでできたのですが、「頂いた種は全滅でした」というご報告もありました。
YouTubeなど栽培指南をする方の殆どが慣行農法です。
慣行農法の多くはヒト都合の栽培計画(自然に逆らった栽培)で、肥料の力を借りて早く大きくする農法です。
また早採りを意識して、自然栽培より1ヶ月も早く播種する生産者もいます。
種をお分けした方ではないのですが、ジャガイモを1月に植える菜園家の方がいたことには驚きました(霜で凍りますよ!)。
⑤結局は「不勉強」
「固定種とは・自然栽培と慣行農法の違いとは」というところから調べないといけなかったのでは?と思います。
「まぁ、農家を目指している訳ではないのでそこまで極めなくても、いいか」と言ってしまえばそれまでなのですが、播種時期・栽培方法など最低限知らなければならないことは沢山あります。
夏野菜を初めて育てる方でトマトを希望される方が多いのですが、実はトマトはご機嫌取りが難しいお野菜の1つです。
栽培の本を読めば「栽培難易度」も載っています。
⑥農繁期の種の発送
農繁期も種の発送依頼がきています(実は現時点でも来ています)。
冒頭に記した「思い」がありましたので何とか対応しましたが、正直心身ともに疲れました。
⑦まとめ
上記の通り、お渡しした種は私の思惑を遥かに超えて育たなかった様です。
そして一部菜園家の方の意識の低さと不勉強さにもがっかりしました。
苦労して取って来た種の末路がこれでした。
私の心も砕けました。
私の気持ちが落ち着くまで、
また、種の在庫に余裕ができるまで、
暫く種の頒布はしない予定です。
以上、ご理解いただけましたら幸いです。