皆様、こんにちは。
今日はYouTubeにいただいたコメントを題材に取り上げます。
World wide webにて公表されているコメント、且つ私の動画についたコメントですのでシェアに問題ないと判断しました。
Izumi utamaroさんという方から以下のようなコメントをいただきました。
以前「自然栽培には興味があるがBGMがうるさすぎて最後まで見れない」というご意見をいただいた方です。
正直なところ、Izumi utamaroさんの質問には、毎度(色々な意味で)考えさせられます…(苦笑)。
同じように「自然栽培」という言葉と、私の行っている自然栽培について疑問を感じている方もいらっしゃる、
そして家庭菜園と農業を混同されている方がいらっしゃると感じ、
今回記事にしました。
〜まず先に私の見解から〜
「自然栽培」という名前が誤解を呼んで良くないのかもしれませんね。
どういう状態が「自然」なのか、何が「自然」なのか、
人それぞれの思いが広すぎて定義付けができない状態です。
いっそのこと「自然栽培」という言葉をやめて別な呼び方にすればいいんじゃないかと思います。
…が、既に「自然栽培」という言葉がこの世に定着していますので無理ですよね。
そして農業と家庭菜園を混同して考えている人がいるという事。
単純に「家庭菜園が大きくなったものが農業」ではありません。圃場の広さは関係ないのです。
生業としている限り、収支決算があるのです。
儲け第一な気持ちで言っているのではなく、いかに「継続して行ける農業なのか」を見ないといけません。
赤字では資材代も種苗代も出ません。
それでは営農継続できない、農業として成り立たないのです(それでも構わないのが家庭菜園です)。
赤字を出さずに経営を回すのは、農業に限らず他のお仕事も一緒ですよね。
さて、私にコメントを投げかけ、izumi utamaroさんは私にどうして欲しかったのでしょうか?
ちっとも「自然」ではないのだから自然栽培を騙るなということでしょうか、
自然栽培という言葉をなくして他の言葉にしろということでしょうか、
石油製品の廃棄を減らし世の中を変えろということでしょうか。
世の中を変えたいのであれば他力本願=私に願いを託すのではなく、ご自身が活動されればいい。
何れにせよ、私は引き続き私のできることをできる範囲でコツコツとやっていくまでです。
一人の力は小さくても、コツコツと草の根運動です。
一人ひとりが着実に確実に、一歩一歩行くしかありません。
いただいたコメントも私の返しも長いので、お時間ある方だけ引用部分をお読みいただけたら、と思います。
〜以下引用〜
Izumi utamaro
YouTube収益化おめでとうございます。
以前から疑問に思っていたことですが、黒ビニールマルチを使った野菜栽培は、「自然栽培」と言えるのでしょうか?
自然栽培というワードは人によって違い、いろんな人が自分に合わせて使っていて 完全に定義が決まっていない部分だと思います。
こちらの農場はオーガニックな野菜たちを育てておられて共感できるのですが、 実際の自然界では起きない、 大地の上に石油素材を敷き詰めると言う方法を「自然栽培」と呼ぶのは、 このチャンネルに限らず疑問に思っています。
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これはあくまでも私の考えですが、 本当の自然栽培と言うのは、 野菜にとっても、大地にとっても喜ばしいものではないのかな?と、思います。
大地や微生物・草花は、黒いビニールを敷きつめられて幸せでしょうか?
ご自身が大地になったつもりで感じたら どのように感じますか?
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もう一つ疑問に思っていることがあります。
日本だけでも、年間の農業用ビニール資材石油資材の廃棄物は大規模な量。
それはどのように処分されているのでしょうか?
地球に負担をかける、生物分解困難な廃棄物の1つではないでしょうか?
そこもとても危惧しています。
黒ビニールマルチやビニールハウスは人間にとってメリットがあるものではありますが、 地球自身にとって幸せなものでしょうか?
しかしながら多くの栽培者にとって、 地球の幸せより販売収益の方が重要なのかもしれません。
「収益第一」この理由によって、 現在の地球全体の問題が巨大になっている事は確かです。
長文になってしまいましたが、
私の疑問点に戻ります。
地球にとって幸せと言えない栽培方法は、 「自然栽培」と言えるのか?という点です。
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〜それに対する私の答え〜
「地球にとって幸せ」とは具体的にどのような状態でしょうか。
農業自体、人の手が入っているから自然ではない、とおっしゃる方もいます。
究極に地球のためを思うのならば、人類など存在しない方がいいのですが、それについてどう思われ、普段どう生活されていますか?
私は全てはバランス、「自然と人との共存」を考えております。
Izumi utamaroさんは他人を否定するところから入るのがスタンダードスタイルなのかなと感じましたが、それは人の心を傷つけます。
疑問の投げかけ方を考慮くださいますと、お答えしやすくなります。
以下、私の考えをまとめました。
・農法について
Izumi utamaroさんがおっしゃっている農法は自然栽培ではなく、より自然に近づけた農法「自然農法」なのでは、と思います。
自然栽培=自然農法ではありません。
この世に細かな基準が無いので混同が起こっていると感じています。
・全てには理由がある(黒マルチ使用の理由)
私は農薬・化学肥料などを使っている農法を否定しません。
「必要だから使っている」と知っているからです。
何にでも使用する理由があるのです。
私も黒マルチなど石油製品の使用を極力減らしたいと思い、また、より自然の姿に近づけようと草マルチ栽培にも取り組みましたが、飛び飛びに存在する7反5畝の広い圃場を私一人で管理する事ができず草だらけになり、お野菜は草に負けて全滅しました。
また物理的要因として、地温を上げる為・畝上の草を抑える為・当圃場は定植後無潅水なので保水の為にどうしてもビニールマルチが必要です。
そして圃場をお借りしている地主さんにも「草だらけにしなように」という条件で貸していただいており、市の農政課職員も度々見回りに来られます。
圃場近所の方も私が一生懸命作業をしているところだけでなく、草だらけになりつつある場面も見ています。
家庭菜園なら草だらけでも多めに見てもらえますが、農業者はそうもいきません。
そういう事実をご存知・ご理解くださっていらっしゃいますか?
農業を生業にしておりますが、「収量第一」と考えた事が一度もないので そう思われてしまった事が非常に残念、遺憾です。
「なぜ地球に負担と知りつつ使用するのか」を説明した動画がないので、シーズンが来ましたら動画作成します。
・マルチ下の生物達の居心地について
微生物や地中に暮らす虫達は自由に動く事ができるので、居心地が悪ければそこから移動します。
何らかの理由で移動できなければ、そのまま死んでしまうでしょう。
当圃場では黒マルチの下でも元気に活動をしてくれていると感じています。
なぜなら刈り倒され漉き込まれた草は微生物達によって堆肥化し、肥沃な状態であるからです。
微生物が活発に働いてくれている証拠です。
野菜達にとっても然りです。
生きてくのに辛ければ育ちません。
自然はシビアです。
一切例外なく、私たちのご機嫌は取りません。
もっともっと実際に土を触ってください。
そして大地と命を感じてください。
すると空想や精神論で物を言う必要がなくなります。
〜引用終わり〜