再会した二人にとって、貴重な時間だった。
紘子、君の名前を何度呼んだことか。あの日君を初めて抱いた日、君は聞いたね。
「あなたと私はこんなに違うの」
ー 紘子、分かりたいと言った時に戻りたいと思います。今、1番苦しい時かも知れません。二人にとって乗り越えられるんじゃないかと思います。紘子、ほんとうに俺でいいのかよ!
「私気づいたの。元気がない時にいつも居たんだよね。ケンちゃんはずっと私を見てた。あなたは追いかけてくれるけど、もう~向こうの方を見てる気がした。私にはやっぱり!あなたの世界が分からない」
ー 明日も明後日も紘子が好きだ。それでもダメか?
ちゃんと1人で考えろ。
ずっと、俺がそばに居たら、麦わら帽子の時のままだ。
***
晃次の心
紘子、君に何度心の中で叫んだだろう。あの日、僕が君を抱きしめたら、
「あなたを知りたい、聞きたい」
紘子、僕は君の心の声にかたむけていただろうか?あの日、涙を流したことを。
それでも、僕は前を向いて頑張れると思います。
***
紘子の心の中
榊 晃次様
あなたは、今、どこの空に居るのでしょう。遅れて届いた手紙を読んでいます。1995年の夏にあなたに会ったことを思い出して出す宛ての無い手紙を書いてます。もし!また会う事があったらあなたに渡したいと思います。
グランプリの絵は紘子をモデルにしたものだった。