夏の終わりにオランダに来て、春を迎えてまた一つ歳をとりました。
自分にとっては人生初のヨーロッパということで、生活様式や気候、食やその他の常識全てに驚きと戸惑いを隠せず、正直言うと日本という国はなんという素晴らしい国なんだと実感しています。
そして一方では、オランダやヨーロッパの歴史や考え方、人の多様性、四季の厳しさとありがたさというものを通して、これらが人の心と体、そして精神性をいかに豊かにするかを教えてくれているなと感じています。
アメリカに2年半、オーストラリアに7年住みましたが、一貫して海外志向だったので、日本がいいなんてことは一度も思ったことはありませんでした。
自分が歳をとったのか、価値観が変わったのか、、いずれにしても自分が生まれた国を好きになるということはいいものだなぁと思います。
治療家としての本業に関しては、体格が大きい欧米のお客様への対応や、様々な人種による言語の違いから意思疎通が上手くいかないケース、宗教上の常識非常識など、日本ではなかなか体験することができない環境で揉まれています。
言葉での意思疎通や自分の常識が通用しないということは、純粋に科学という共通言語をもとにした物理的アプローチ、そして最も大切な人間性そのもので勝負するしかありません。
そこには、誤魔化しは一切通用せず、頼りにするのは解剖学、生理学、臨床科学など、神経筋骨格系のスペシャリストとしての知識と経験、そして生身の自分のみです。
もともと私自身は人のカラダに対して、しっかりとしたエビデンスに基づいた科学的なアプローチを目指してオーストラリアの大学に行きました。
それが日本に帰国してからは、自分の施術が当初目指していた方向性と少し違うベクトルに向かってしまっていたなと、ここオランダに来てハッキリと認識することができました。
ここに来て、オーストラリアの大学で学んだ技術や知識を、自分のものに出来てきているという実感は、治療家としての喜びと自信に繋がっています。
あれだけ悩んで研究を続けてきたクラニオセイクラルオステオパシーに関しても、あまりにもあっけなく自分の中で答えが出たこともこちらに来る前には予想もしていませんでした。
オステオパシーの創始者Dr.A.T.Stillが「You begin with anatomy, and you end with anatomy, a knowledge of anatomy is all you want or need.」いわゆる「解剖学に始まり解剖学に終わる」というように、追求すればするほど最後は基本に戻るという普遍の法則を体験できたことは、治療家として本当に幸せだなと思います。
ある意味武者修行に近い形で乗り込んだオランダ。
この年でこれだけのチャレンジをさせてもらった家族に感謝しつつ、本当の意味で「地に足をつける」タイミングに来ているなと感じています。
生まれ故郷は北海道ですが、自分の帰るべき土地は沖縄の読谷村だと思っています。
ここで得た経験をもとに、日本でしっかりと地に足をつけて仕事をしていきたいというモチベーションに溢れています。
帰国後は医師や治療家、施術家の方々と共に、本格的な施術家向けの講習会、日本における統合医療の研究、オステオパスが考えるリラクゼーションメニューの構築など、治療家としてできることを着実に進めていきたいと思っています。
また、前職を退職してからあまり人と関らず自分のペースを保ちながら暮らしてきましたが、帰国後は昔のように積極的に外に出て行こうと思っています。
オランダは先進国の中でもトップクラスの先進国だと思います。社会システムだけではなく、人生観やどう生きるか、どう死ぬかについて改めて考えさせられます。
日本でのこれからの自分の立ち位置や家族との関わり方、仕事への取り組み方などなど、そういったことを含めオランダという国の懐の深さと、淡々とした厳しさを目の当たりにし、色々な意味で目を覚まさせてくれました。
そして何より、ここオランダで出会った素晴らしいご縁は、またいつでも帰って来れるという家族のような安心感、そして人として尊敬できる方々と共有させていただいた時間は、お金では決して買うことができない財産だと思います。
残りの時間も無駄にせず、後悔のない日々を過ごしていきたいと思います。
7月26日に沖縄に帰り、再始動したいと考えております。
読谷ホリスティックスにてお待ちしております。みなさまどうぞよろしくお願い致します。
