前記事を振り返ります。
環境問題面でも雇用・失業問題面でも農業が必要と分かりました。
そして農業の関わり方を下記3つ挙げました。
ただ、私がオリジナルにまとめたものなので、専門家の人の見方とは違うかもしれません。
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■1■専業農家
農業でお金をかせぐ。また農業で取れた食材の加工でお金をかせぐ。
■2■半農半X (半というのは2分の1という意味ではありません。)
何%か農業、これは家庭のベランダで作るものでもよくて、”農業でかせぐ”とイコールではない。
そしてXは自分のしたい仕事をする。
  1、農:自分の家や近くで行う、X:近隣の地域に働きに出掛けていく
  2、農もXも一つの地域で行う。そのような地域を設計する。
■3■農業も工業もほぼ機械 (但し、人の手で耕した土と機械が耕した土は明らかに違いがあるらしいです。微生物の数だったかな?勿論、人が耕した土の方が優良らしいです。)
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今回は■2■の半農半Xについてです。
■2■の1については、農地の確保ができれば、比較的実行しやすいと思います。
ただ、近隣に働くところがない場合はWEBを使いできる仕事やその土地の観光等の仕事につく、もしくは■2■の2を本格的に導入し実行することが考えられます。ただ2は行われている人達もいらっしゃいますが、官民の力が必要だと思われます。
半農半Xを行う際、その割合は人それぞれでいいと思います。
しかし社会システムとして構築する際下記の案があります。
それは国全体で、どこまで農業の割合を増やすかなどの検討が必要です。
また今回は省いていますが、下記の案は農業のみならず、金融、教育、医療なども本当に人間と自然を基本とした新しいコミュニティーができると思います。

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下記、『菜園家族21』 (小貫雅男・伊藤恵子 著)より

*滋賀県近江国のうち、「犬上川・芹川S鈴鹿山脈」流域エリア(彦根市、犬上郡多賀町・甲良町・豊郷町)を選び、流域最奥の過疎山村、多賀町大君ヶ畑に拠点を構え、調査研究。

◎「菜園家族」 = 農村の過疎と平野部の都市過密を同時解消し、循環型共生社会を目指すもの。

■週のうち2日→”従来の仕事”=民間企業、国・地方公的機関
 残り5日→菜園での栽培、手作り加工、商業、手工業、サービス部門等非農業部門の自営業を営む
      この5日間はゆとりのある育児、子供の教育、風土に根ざした文化芸術活動、スポーツ、娯楽など  
      自由自在に人間らしい人間本来の創造的活動に携る。

■週2日の従来型の仕事が保障されることで、そこから安定的に得られることが絶対に必要な条件となる。

■「菜園」から採れる農作物は、売ることが目的ではない。自分の家庭の消費にあてる。
 作物を大量に生産し、それを売って現金収入を得なければ生活が成り立たないという状況は避けなければならない。
 この条件だと田畑の面積は20~30Rもあればすむ。

■「菜園家族」構想における社会の特質は大きく3つのセクターから成り立つ"CFP複合社会"であるということ
 できるだけ、農・工業製品の「地産地消」を追求。それにより、遠隔地からの物資の運搬による莫大なエネルギーの消費と、運輸にたずさわる人びとの過酷な労働を前提とする今日の生産と流通のあり方からの脱却が可能になる。

◎C◎・・Capitalism
・きわめて理性的に規制され、調整された資本主義セクター
・農業を行うための生産用具や生活用具・機器の製造と損耗部分の補充のための工業生産
・輸出用工業製品の生産(生産量は限定)

◎F◎・・Family
・週休5日性による三世代「菜園家族」を主体に、その他の自営業を含む、家族小経営セクター

◎P◎・・Public
・国・都道府県・市町村の行政官庁、国公立機関、公共性の高い事業機関やNPOや協同組合など公共セクター

■上記のセクターC・Pで週2日働くと同時にセクターFの「菜園」または自営業で5日間働く社会だと、
 企業は従来のように従業員およびその家族の生活を賃金のみで100%保障する必要はなくなる。

■セクターC・Pの職業選択に際しては、従来よりもずっと自由に、自己の才能・能力・あるいはそれぞれの生活条件や志向にあった多様な選択ができるようになる。

■とくに、女性の場合、週2日だけ従来型の仕事に就けばよくなり、育児か仕事かの二者択一的選択からの逃れられる。
「菜園家族」は女性の「社会参加」と男性の「家庭参加」「地域参加」の条件がいっそう整ってくる。

■この週5日は自己の「菜園」で多品目少量生産を営み、週2日は近隣の中小都市の職場に労働力を拠出。
その見返りに賃金収入を受け取り、「菜園家族」自身を自己補完しつつ、安定的に暮らす。
→あたかも各細胞が細胞質内のミトコンドリアで生産されるATP(アデノシン三リン酸)といういわば「エネルギーの共通通貨」を人体の組織や器官に拠出し、代わりに血液に乗せて栄養分を受け取り、細胞自身を自己補完しつつ生きている、というメカニズムに例えることができる。こう考えると「菜園家族」は単なる思いつきで提起されたのではなく、実は自然界の摂理である「適応・調整」原理に則して必然的に導き出されるシステムであるように思えてくる。

■「菜園家族」構想の最初の重要課題。農地の確保と週休5日制によるワークシェアリング制度の確立。
・兼業農家・・農地はすでに確保。若い後継者に週2日の従来型の勤め口が保障されれば比較的スムーズに「菜園家族」に移行可能
・都会での生活者・・田舎に農地があれば上記と同じく、勤め口さえ確保できればスムーズに移行
・サラリーマンで農地持っておらず、農村に知り合いいない・・自治体が公的な「土地バンク」を設立。その保証と仲介によって農地を有効かつフレキシブルに活用できる体制を作りげることが重要。

■「土地バンク」と「週休5日制によるワークシェアリング」は密接に連動。

■後継者確保に悩む兼業農家を公的「土地バンク」に移譲する際、その代償として、息子や娘に週2日の”従来型の仕事”を斡旋する仕組みになっていれば、息子や娘は次代の三世代「菜園家族」としての基盤を得ることになる

■農地をもたないサラリーマンも自らのワークスシェアリングによって、公的「土地バンク」を通じて農地の斡旋を受ける事になる。
‐‐‐‐‐(引用ここまで)


この本には、通貨や教育のことも書かれていました
それらを実行する事で、これまでより人間らしい社会になるんだろうなと思いました。
大都市は大きくなりすぎたと思います。
今の生き方・生活のしかただけが全てではないと私は思います。

現在の生活に不満やストレスを抱えていない人は自分らしい生き方をされているのだと思います。
その生き方を是非、続けてワクワク生きて下さい。
しかし、なんらかの不満やストレスをお持ちの方は新しい社会システムや生き方を求めているんだと思います。
そんな方は自分がワクワクする生き方を進んで下さいね。
これまでの生き方を変える事はエネルギーがいりますが、今の生活に不満やストレスを抱えている人は、農業という道が意外と合うかもしれません。
また、現状に不満やストレスを抱えるのは、個人個人の問題でなく、今の社会システムのままではだめだという社会全体のサインだと私は考えています。
皆がもっと心地良く、自分の希望にあった仕事なり趣味ができる世の中になったらいいですね。

以上、コロブのような星、宇宙人アミのような社会が好きな者でした。