元夫の父は

私たちが 離婚したあと

暫くして 認知症になりました。

 

 

まだ元気だった頃の義父は

普段は、あまり話さぬ人だったけれど

私と2人になると必ず

 

「仙台のおばあちゃんやお母さんは、元気かな。」

 

と、私の事や 東北にいる母や祖母の事を

いつも

気にかけてくれている義父でした。

 

 

長女が、指を多く持って生まれ

周囲から受け入れて貰えぬ状況が続いた

ある日

 

周囲の非情な言葉に耐え切れず

思わず

会食中の場から

一人で外へ出てしまったとき

 

暫くすると義父が

地下のレストランから一階の廊下にいる私のところへ来て

背面で立ち止まりました。

 

そして

私の真後ろで

横を向いたまま

 

「元気なら それでいいんだよ。」

   「 僕はね、子どもが 元気でいれば、それだけでいいんだよ。」

「他には・・何もない。」

 

と・・・そう言って

 

そのまま 真っすぐ

外の暗闇へ出ていった義父

 

ポケットに両手を入れて

一歩一歩 確かめるように…。

 

ゆっくりと夜道を歩く

その背中が

私は、いつまでも 心に残りました・・・。

 

 

昨日

昨年から施設に入所した義父に

長女と二人で会いに行きました。

 

義父とは

6年ぶりの再会でした。

 

 

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医学博士で

湘南長寿園病院長の

フレディ松川さんが実体験を元に

書かれたものを紹介させて頂きます。

 

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もしも私が、痴呆性老人になったら、その時、私を介護してくれるあなたに、次のようなことをお願いしておきたいと思います。
 
これらのお願いは、決してむずかしいことでもなければ、あなたを精神的にあるいは金銭的に苦しめる物でもありません。ほんのささやかなお願いですので、ぜひ聞き届けてください。どうぞよろしくおねがいいたします。
 
私が医者であったことをまず忘れてください。
知識は遠いかなたへ消え去り、今では人の助けなしには一日も暮らせない別の人間になってしまっているのです。そんな私にあなたは静かに話かけてくださいね。
 
決して大きな声で私に話さないでください。
あなたが大きな声で話すと、たとえあなたが怒っていなくても、私はあなたになんだかとても強く叱られたように感じて怖くなってしまいます。
本来、やさしいと思っていたあなたに、「えっ、なに!おじいちゃん」「なにやってるのよ!」などといわれるたびに、私は恐怖におののくのです。
 
あなたが何か、わたしにさせたいのであれば、静かにゆっくりと話してください。
 
また私は変なこと を言うかもしれません。
たとえば「蛇がいる」と私が言ったら、「ナニを言ってるの、蛇なんかいないわよ!」と大声で言うのではなく、「どうしたの?蛇はど こにいるの?」「どうしたいの」「じゃあ、蛇をどかせましょうね」とやさしく尋ね、そして、わたしがなにを要求しても、その要求をまず受け入れてほしいの です。
 
私が「ごはん、まだか」と聞いた時も、「さっき、食べたでしょう!」と大声で叱るのではなく、 
「おなかが空いたの?じゃこれ食べる?」といって、クッキーの一枚でもわたしにあたえて下さいね。
 
三度の食事のたびに、箸をうまく使えなくなり、食事をこぼしたりします。ですから、指を使ってたべることもあるかもしれません。その時は、無理に箸を使わせようとせず、そのまま自由にたべさせて下さいね。
 
また、疲れてバジャマに着替えることもなく、そのままの姿で寝てしまうかもしれません。布団の上で寝ないこともあるかもしれません。その時も、ふとんをそっとかけてくれるだけでいいのです。
 
あなたを悩ますことの一つに、私はあなたに「家に帰りたい」と言うに違いありません。その時の私の心の中は、とても不安定な状態にあるのです。ですから、私が「家に帰りたい」と言ったら、家に帰る帰れないと言う問題でなく、まず私が不安を抱えているということをわかってください。
 
そしてしばしば、私は自分の感情のコントロールがうまくできません。ですから、大変に気むずかしくなって、その日の気分によって、意地悪なことをあなたに言ってしまうかもしれません。
また、あなたの気に入らない事をするかもしれません。
 
実はそのときの私の気分は最悪で、私自身もその気分が嫌で嫌でしかたがないのです。でもどうしようもできない。そこで、ついあなたの言うことに反発したり、意地悪をしてみたりしてしまうのです。
 
そんな私の心の内を理解してください。その理解がボケた老人には一番必要な物なのです。
 
そして私の病気の最大特徴は、とても忘れっぽくなっていることです。あなたが何度、怒っても、なんで怒られているのか忘れてしまいますし、あなたが怒ったこと自体も忘れてしまいます。
ですから、あなたが怒ったこと、大声を出したことを「なんで、あん なに怒ってしまったのだろう」などといつまでも後悔しないで下さいね。
私は、とうに、そんな事も忘れているのですから。
 
もちろん、忘れっぽいために、水道を出しっぱなしにしてしまったり、火の始末もできなくなってしまいます。ですから、そういうことを私ひとりでさせないで下さい。できれば、一緒にやってく れたら、こんな安心なことはありません。私を、正常だった時と同じ人間だと思わないで下さい。
わたしはなにをやっても忘れるという病気なのだ、ということを決して忘れないでください。
 
困ったことに、いま目の前にいる人が誰だかわからなくなります。でも、誰だかわからなくても、私は、私の目をしっかりと見て優しい声で話しかけてくれる人が大好きです。私は、その人が誰であれそういう人の言うことを聞こうとします。
 
私に何かさせたかったら、ひとつずつさせてください。短い言葉で「ごはんよ」と優しく言うだけでいいのです。また、私が何かあなたに尋ねたら、やはりひとつずつ短く答えてください。
長い説明をされても、私にはそれを覚える事ができないからです。
 
私に何か話しかけようと思ったら、私を見て、私のからだに触れながら、微笑みながら話してくださいね。
 
私の心がさびしい時、私は自分が育った時代、青春時代の音楽をとても聞きたくなります。
ソレが何という曲だったかは、思いだせませんが、ただ介護してくれるあなたと、その音楽を一緒にきいたり、歌ったりしたいと思っています。
 
私の知性は、たしかに衰えています。だから感性にたよって生きていかなくて はなりません。
その分感性は磨かれているかもしれません。
ですから、音楽以外でも、美しい夕焼けをみるとか、おいしい食事をするとかということをとてもいとおしく思っています。
ひょっとしたら、正常だった時よりももっと感性は鋭くなっているかもしれないのです。
 
私に懐かしい音楽を聞かせてください。
美しい風景を見せてください。素敵な匂いを嗅がせてください。着心地のいい洋服に身をつつみ、おいしい食事をあじわわせて下さい。
 
私が痴呆性老人になった時、私は優しい人に囲まれて、残りの人生をごく自然に過ごしたいと思っ ています。ですから、たとえアリババと40人の盗賊にかこまれたとしても、私は盗賊のなかでも、一番優しそうな人のそばにいたいのです。どうか、私を介護してくれるあなたが、「ボケた心」を理解している優しい人であることを祈っています。
 
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ここには

私にとって  気づきのヒントが 沢山あります。

 

認知症のことだけに留まらず

思う事が  沢山 あります。。

 

統合失調症だった母

高次脳機能障害と診断された元夫のこと

自閉症の次女のこと

 

当事者の気持ち

支え・向き合う家族のこと

介護する人のこと・・・

 

そして

 

何があっても 何が起きても

変わらぬものを・・

 

私は

強く 大切に 思います。

 

 

昨日

お義父さんに再会したとき

 

義父は

私たちを見て

「わかりません」と、はじめに言ったけれど

 

長女や子どもたちの名前を言ったら

即答で

笑顔で

子どもたちの名前を

確かめるように 数回言いました。

 

何の迷いもなく。

 

他にも

短い時間に色々話ができました。

 

「宇宙語だからわからないよ」と言われていたけれど

 

終始お互いに目を見つめ合い

笑顔で 笑って

通じ合えた。

 

マスクを取って顔を見せる。

 

長女や私の顔を見ながら

色々話をするお義父さん。

 

凄く嬉しそうでした。

 

 

窓越し・網戸越しの対面で

外の廊下にいた私たち。

 

お義父さんは 時々

「寒いね」

肩をすくめながらも

 

何度も

「寒い?寒い?」と

私たちの事も

気遣ってくれていました。

 

「お義父さん、会えて良かった。どうもありがとう♪」

「また会いにきますね。」

 

笑顔で

お互いに手を振り合う・・。

 

 

 

こんなに真っすぐな瞳で

ずっと

見つめ合いながら

 

たった10分ほどの短い時間に

 

こんなに話せて

こんなに素敵な笑顔を見られて

笑い声を聞けて

私は、幸せでした。

 

~ありがとう~

 

言葉には上手くできないけれど

 

ちゃんとした言葉じゃなくても

通じあえる 感じあえる

 

お義父さんの瞳

忘れません。

 

私の心には

いつまでも

貴方の優しさと笑顔が 輝き続けていますキラキラ虹

 

~ありがとう~

 

これまでも

これからも

 

お義父さんから感じ 頂いた光を

大切に 

 

これからも

歩いていきますね

 

~何年分もの 心からの感謝をこめて~キラキラブーケ2

 

 

 ( ナチュリア ) クローバー
フランス語のナチュール :nature (自然な・ありのままの)と
サンスクリット語の アーリア: arya (清らかな) という
ふたつの言葉を合わせ、名付けました。

 

長らくお休みをしていたNaturiaが、秋から7年ぶりにはじまりました。

これまで、お世話になった皆さま

ありがとうございます。

そして、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

 

・ベビー&キッズマッサージ

 (生後2か月頃の赤ちゃんから、小学校高学年のお子さままで)

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