鈍色のヘルメット | 旅、時々スポーツ、酒

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自然、特に山が好きなおじさんです。最近は滝巡りにも目覚めました。訪れた山や滝を紹介していこうと思います。よろしくお願いします!

この週末、連れの友人の子息が出演している舞台に行きました。舞台といっても地下の客席50席ほどの狭いスタジオで入場料前売3000円という文字通りアングラな舞台でした。

お題は東大全共闘の安田講堂事件です。立て籠もる学生の中に美人女子学生がいるという設定で、ハードな中にもロマン?がある脚本でした。

最前列から見た舞台は同じ高さで俳優が間近に迫ってきて大声でセリフを言い、迫力満点!

連れの友人の子息は小坂広夢さんといって全共闘のリーダ役、背も高く堂々としていて、なかなかの男っぷりでした。

その他の俳優さんもさすが舞台俳優でみなさん迫真の演技、とても楽しめました。
私は特に副リーダー役を務めた小守航平さん演じる終始しかめっ面なのですが、ギターを弾いたりするギャップのある役が印象に残りました。
劇団民藝の野田香保里さんは貫禄ありつつ、お茶目な演技でした。
ジャーナリスト役の松本みなみさんは声が大きく、小柄なのに存在感ありました。

この事件は私が5歳の頃のことなので、リアルタイムでは知りませんでしたが、もちろんこういうことがあったことは知っています。その後、学生運動は下火になり、私が大学に入った頃は、バブルで合コンとチャラチャラした学生生活を送っていました。

話は変わりますが、韓国では私と同世代は386世代と呼ばれています。そう呼ばれた1990年代に30代、1980年代に民主化運動のために闘った1960年代生まれのことです。

今、日韓どちらも50~60代。この世代の韓国の映画監督はJSAやパラサイト等の社会派が多いです。また日韓労組の闘いの差もあり、今、ついに日本は平均賃金が韓国に抜かれてしまいました。韓国ではストは労働者の権利と当たり前。デモ行進も凄いです。私がたまたま韓国旅行に行った時は、米国産牛肉輸入反対のデモをやっていて、牛の張りぼてを引っ張りながら、当時の大統領に対して「イ・ミョンバク・アウト!」と大合唱でした。焼肉大国の韓国は自国産牛肉をとても大切にしているのです。また、韓国にはスクリーンクォーター制度という映画配給の25%は韓国製でなければならないという自国文化を保護する法律があったのですが、それにハリウッドの後押しを受けた米国が法撤廃の圧力をかけてきたのですが、この時も有名な俳優たちが立ち上がってデモしました。私の好きなチェ・ミンシクはみんなのデモが終わっても一人立ち続けていました。

一方、日本は昔は国鉄がスト権ストをやっていたのに、民営化してストができるようになったら、今時ストなんてと脱退者が続出する体たらく。一応、労組幹部の私も、舞台出演者の歌うインターナショナルという労働歌を一緒に小さい声で口ずさみながら、そんなことを考えていました。

今回、若い俳優さんたちが、こういうテーマの舞台をやるなんて、まだ日本も捨てたもんじゃないなと思いました。素敵な舞台をありがとう!