ただいま、とうきょう。窓の外に目を向ける。遠く聞こえるのはずっと離れた沢の音だけ。雲の切れ間からのぞく明るい光はしろい月。切れ間が広がると見えてくる、槍に向かう尾根の稜線と、聳える槍と小槍のシルエット。その右にぽつんと見える、槍ヶ岳山荘のあかり。そんな夜を昨日過ごしたばかりで、煌煌と輝く光の世界にいるなんてなんて不思議なんだろう。ただいま、とうきょう。雲ノ平から、笠ヶ岳をのぞんで。