私は引き算から生み出される美しさがとても好きです。
足して、足して、足して、引いて、また足して・・・
そんな繰り返しのリズムが、美しさを生み出していきます。
足しただけには無い、痕跡というエネルギーがそこには残ります。
抽象絵画を描いたオランダのピエト・モンドリアン(1872-1944)
引き算の美しさをアートにして見せてくれています。
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モンドリアンの絵画を美術館で間近に見ると、
この単純に見える線にどれだけの集中力をもって
美しさを生み出しているのか、
それがよくわかります。
何度も何度も、描いては消し、描いては消し、
その痕跡が残っています。
定規を使って描いたのではないことが
近くで見るとよくわかります。
それは、遠くで見ただけではわからない、
美しさの本質です。
モンドリアンは物質の中心には精神があると悟りました。
コンポジションというこのシリーズの絵は、
構成という意味合い以上の、
人の精神を表していると感じます。
神智学を学び、神智学者をパトロンに持ったモンドリアンは、
神智学の美の世界を、
絵画という形で現してゆく使命に満ちた
人生を送っていたのだと思います。
近年では、モンドリアンの絵に感銘を受けた
有名デザイナー達が、
モンドリアンの絵画をモチーフに
ファッションを作り上げていましたね。
物質の中心には精神がある。
精神を扱うのは私たち人間の魂です。
”精神が美を生み出す”とも言えるでしょう。
足しただけにはない痕跡は、
人間であればその人格の深みとなります。
時には引いてみることも必要かもしれません。
後退しているように見えて、
実は人生の深みを増していく引き算かもしれない。
前に進むだけがポジティブではないと、
知っていることが人生をポジティブに生きるということ。
引き算を恐れるのではなく、
引き算の経験から人生の美しさを作り上げていくことも
一つの方法なのだと思います。
大切なことは 【Got Feeling】 です。
Love,
慧胡