私の半生は、病気との闘いだった。乗り越えるまでの経過を少し書いてみようと思う。
20代の頃、ストレスから十二指腸潰瘍と胃炎になり、かなり悪化して完治するのに数年かかった。痛みで何も食べられず激ヤセした。入院する余裕はなく、最初の数ヶ月は毎日病院に注射に通う日々だった。
それから、くるぶしに水が溜まるようになり、毎週注射で水を抜いてもらわなければ靴もはけない状態になった。一生治らないと医師から言われた。
30代になって、網膜に穴があく病気になって、レーザー治療した。恐怖だった。今でも両目の視力が0.05くらいしかない。
頸椎陥没。首の二番めの骨が陥没している。これもひどい痛みがあり、一生治らないと言われた。
腰椎捻挫。ある朝起きるといきなり立てなくて、一週間位歩けない状態になることが年に数回あり、何度も仕事を失った。
扁桃腺肥大症。これも年に数回のどが腫れて、声が出なくなり、女優を辞める原因になった。
腎臓も弱っていて、膀胱炎を繰り返し、腎盂炎になり高熱が続いた。ひどい痛みで眠れない日々だった。
それから、子宮外妊娠。人生で一番悲しい病気だった。医者の誤診で手遅れになり、あと数日手術が遅れたら死ぬところだった。
手術後、親も誰も援助してくれなかったので、無理して働き、不妊症になった。不妊治療は、激痛をともなう治療で、五年続けたけど、結婚後、夫の理解が得られず中断した。
手術の後遺症で、腸が癒着し、しょっちゅうお腹が痛くなり、これも数年続いた。これは今も時折症状が出る。
他にも歯医者の失敗で顔がはれたり、交通事故でムチ打ち症になったり、まともな時はほとんどなかったくらい。
子どもの頃から家庭にも恵まれず、親とは縁を切り、離婚し、お腹の子は亡くなり、親友に裏切られ、生まれてから40年間、幸せな時を思い出すことが出来ない。
鬱にもなったけど、精神薬は胃の病気のため、半年でやめた。
若い頃は自殺ばかり考えていて、未遂もあるけど、人一倍、負けん気と野心があったから、負けるものかと思って、病気を抱えて舞台に立ってた。
周りからは元気に見えたかもしれないけど、私はさまざまな病気に苦しんでいて、当時はライブを見に行くことだけが楽しみだった。
40才を過ぎた時、身体はボロボロで、家族も仕事も貯金もなく、絶望して死のうとしたけど、このまま終わるのが悔しくてたまらなかったし、もう一度どうしても逢いたい人がいたので、やり直す決意をした。
健康になるため、タバコとお酒、間食を一切やめ、一日三食、手作りの物だけを食べた。激しい運動はできなかったから、一日15分程度のストレッチとウォーキングを続けた。
仕事は9時から5時までのバイトをし、無理して残業したりするのをやめたので収入は減り、最低限の生活だった。エアコンも、携帯もなく、遊ぶお金もなかったから友達づきあいもせず、死んだ気で欲望の全てを断ち切って暮らした。
過酷な日々だったけど、三年後、私は健康な身体を手に入れていた。血液検査はオールAになり、疲れなくなり、好きな仕事にも就けた。今はタバコもお酒も復活したし、好きな物を食べてるけど、運動だけは続けている。
今はまだやっと人並みになれただけで、夢をかなえたわけではないけれど、人は死ぬ気になれば何でも出来ると信じている。人生の終わりの日まで、あきらめることなく走ってやろうと思っています。
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