昨日はお休みだったから殆ど1日ベッドで過ごし、相方のアマプラビデオを徘徊していたら、ずっっと観たかった映画、『流浪の月』が通常配信されてて。

秒で再生ボタンを押しました。


李相日監督の『怒り』のお芝居を観てから広瀬すずさんが大好きになったんだけど、流浪の月では李相日監督のもと、松坂桃李さんとのダブル主演ということで。

ワクテカしながら観ましたよー!

もちろん、ネタバレはリサーチ済です笑。


もうね、出演されてる皆さんのお芝居が、すごかった。

内容についてはネタバレになるからあまり触れないんだけど、キャストの皆さんのお芝居が本当にすごかった。


「これが広瀬すずの素なのでは?」と思うくらい、複雑な役柄の更紗という役を、何を訴えかけるでもなくナチュラルに演じる広瀬すず。

どこまでも、果てしなく、文そのものだった松坂桃李。

どこからどう見てもイケメン俳優なのに、こちらがどれだけ頑張っても全くイケメンに見えない役を演じ抜いた横浜流星。

最後の最後で潔癖なだけじゃない渾身の涙を見せてくれた多部未華子。

更紗の子役時代の役者さんも本当に良かった。


作品を一度観てしまうと、「このキャスティング以外は有り得ない」と思わせるキャスティングをする、李相日監督。

本当にすごいって思います。

映像もね、非現実的なくらい美しい筈なのに、その美しさがリアリティに直結してるような画で、。

圧倒されてしまいました。

『悪人』や『怒り』とはちょっと違った感じです。

映像はちょっと違うけど、内容が同じくシリアスな内容だから観やすくはないかも知れない笑。


ストーリー対する感想ですが、。

主人公の更紗も文も、更紗の恋人の亮も、心に痣のようなものを抱えながら、どこに居るのが正解なのか、答えを探すみたいに生きていると思うんですね。

正解とは違う場所に居るのに、それを正解にしたくて傷付いて、人を傷付けて。

最後には、自分にとっての正解を自分で選んで、痣を抱えたまま生きていくと決める。


こういう感覚が、なんだか分かる気がして。

心に痣や傷があると、「許しなさい」とか「愛しなさい」とか、ク◯みたいなことを言ってくる人がごまんと居て。

でも別に、許せないことや愛せないことなんて、普通なんです。

許せないまま全部許して、愛せないまま全部愛していく。

それが、どれだけ人に理解されなくても、どれだけアンバランスで、今にも崩れそうな心許ないものだとしても、そうする。

それは自分で決めたことだから。


結果、私は恋人も作らず家族も持たず、友達も殆ど居ないで、小さなアパートで一人で暮らしてる。

これでいいのかな、って思うときもあったけど、この作品を観て、自分の今居る場所が、間違いなく正解だ、って思えた。


許せなくていい、愛せなくていい、ただ自分が自分だったことだけが、生きている全て。


私はすごく好きだけど、なかなか複雑な感情を描いた作品だと思うので、誰にでも分かりやすい作品だとは思いません。

でも、自分の求めている正解が、もしかしたらどこにもないかも知れない、って思ったときに観ると、何か感じるものがあるのかも知れません。

個人的には、大ファンになっちゃったんで仕事の帰りに原作小説早速買ってきちゃいました。


因みに私のお勧めの邦画は『勝手にふるえてろ』です。

綿矢りささんの原作もお勧めですよー、私は原作から映画に入りましたが、映画も良かったです!

こちらは分かりやすく面白く愛おしい作品なので、よければ是非!