むかぁしむかし、色々あって中退したけれど、受験勉強2週間で田舎の自称進学校に合格した。


自称進学校だから、日頃の勉強がチンプンカンプンでは入れないくらいの基本的な学力が必要な高校ではあって、定期テストの点数も通知表の内申点も、普通よりちょっとだけ良くないと入れないくらいの公立高校ではあった。


中学に入学した当初は全く興味のなかった勉強も、やってみたら意外と楽しくて、楽しいからガリガリ勉強してたら地元の進学校を受けられなくもない学力になっていた。

部活動の為に授業態度を良くしていたら、受けられなくもない内申点になっていた。

行きたい高校はあったのだけど、親から「家から通える学校じゃないと行かせられない」と言われた私は、無難に入れる高校を受験することにした。


とはいえ、入りたい高校を受験するわけじゃないから、受験勉強のモチベーションは皆無で、滑り止めの私立高校の受験が終わった時点でやる気が真っ白に燃え尽きていた私は、公立高校の受験が後に控えているにも関わらず、受験勉強を全くしなくなった。

周りの同じ高校を受験する生徒が血相を変えて勉強する中、校内で実施される実力測定テスト的なテストでも酷い点数を取り、教員からも「合格する確率は40%もないと思ってほしい」と受験を止められ、親からも「お願いだから私立の専願にして(学費の関係で)」と懇願される始末だった。


ただ、私には不思議に思っていることがあった。

周りの生徒は、同じ高校を受けられるだけの学力があり、内申点があり、学区制がある高校なわけじゃなし、合格するだけなら合格自体はできるだけの要素が充分にあるのに、なんであんな必死に勉強するのか。


受験当日二週間前、そろそろ何かやっといた方がいいかも知れないと思った私は、やっと重い腰を上げて勉強に取り掛かり始めた。

授業で理解できなかった部分を補うことにしか使っていなかった通信教材で(日頃から無駄に勉強するのは嫌いだった)、過去3年分の入試の過去問が届いていたから、取り敢えず一通り解いた。

解けなかった部分だけをピックアップして、苦手は苦手なんだけど解けなくはないところまで理解度を上げていって、あとは絶対に必要な暗記物を頭に叩き込んで、最後にもう一回一通り問題をさらって、私の受験勉強は終わった。

受かった。


知らないことを知ることも、分からないことを分かるようになることも、全然嫌いじゃなかったから勉強は好きだった。

ただ、勉強に興味が向かないときに受動的に勉強するのは極端に嫌いだった。

こういう性格をしているから、嫌でも受動的に勉強をさせられる田舎の堅苦しい進学校の校風って普通に合わなくて、高校に入学してから、元々病んでいたメンタルを更に病むことになった。


「取り敢えず環境だけ準備しておくから、あとは好きに数字(学力)だけ上げてねヨロシク〜」

っていう感じの校風だったら、がっついて勉強したと思う。

授業をスムーズに進めるために予習と復習課題を両方出して、それに加えて平日は3時間以上、土日は5時間以上勉強しろっていうのはさ。


教員の時間的には助かるかもだけど、生徒の時間ってものを考えたときには、もう舐め腐ってますよね。

一日4、5時間睡眠で勉強頑張ってる生徒がゴロゴロ居たよ。

高校生なのに。

無理矢理勉強させたって自由に勉強させたって、やる生徒はやるし、やらん生徒はやらんのよ。

因みに夏休みも『単位の付かない特別授業』に通わなきゃいけなくて二週間くらいしかなかったし。

高一の夏休みに小論の授業やって受験のとき誰が覚えてんだよ、って思って、授業中に出された課題は白紙で提出しました。


勉強するんだったら能動的にやる方がいいでしょストレス少なくて。

っていうか、本当に賢い生徒が多い高校の生徒は能動的に勉強に励んでる印象しかないよ。

と、私は思っていました。


この高校を辞めた理由って、校風が嫌いってだけのシンプルな理由じゃ全然なかったし歯を食いしばって辞めた側面も多分にあるけど、でもダメになって良かったなぁとは当時も思ってたと思うし、今も思ってるな。

自分に正直に、能動的に物事を決めて、決めたことを実行できた証拠だったから。


何よりもの自信になってる。