大好きな三浦しをんのエッセイを読むと、「私の生活について」以外の、多くの人にとって自らの経験を重ねられる内容が多いことに気づく。いや、彼女の生活に基づいてもいるのだが、日々の出来事を書き連ねるだけではなく、より客観的に考察するのだ。私の日記とはこことが違う。まあ、日記目的で書いているわけだから違うのは当然かもしれないが。とはいえ、私の書き物は主観表現が多いなぁと改めて思うのである。
三浦しをんの文章は、語彙や表現方法が多彩かつ明快である。加えて、飾らない自然体な内容であるため親近感が湧く。さすが、「エッセイの名手」だ。一見、ささっと楽に書いているように見えるが、軽快な文章にするのは、非常にセンスが求められるものであると感じる。
とにかく私は、彼女の文章が大好きなのだ。このところ、先月定期があるうちに溜めておいた「積ん読」本が軒を連ねているのであるが、寝る前に読む本に困っていた。読みかけの恩田陸『不連続の世界』は不気味な世界観が単純に夜には怖いし、1回は夜読んでみた実用書(?)『内臓とこころ』は興味深いが夜にはしっくりこない。村上龍の『半島を出よ』は分厚い単行本で寝ながらの大勢にはきつい。その他のやや暗い内容の文庫本(田中慎弥や中村文則)は夜読むには(違う意味で)重すぎる。そこで、一番しっくりくるのはやはり三浦しをんのエッセイなのである。もう彼女のエッセイはだいたい読んだし、再読するしかないため渋々手に取ると、いやこれは驚くことに、再読などなんのその。文句なく新鮮な面白さに腹をくすぐられるのだ。とても良い意味合いで気楽に読めて(心の負担が最小限)、適度な時間に眠くなる。理想的だ。すばらしいな、本当に。ああ、次はいつ新作エッセイが出るのか。首を長くして待つしだいだ。
