『帰っておいでよ』
と言われた気がした。
私の相棒、ドラゴンに。
唯一無二の、私のドラゴン。
『いいの?』
そんな思いが浮かんだ。
『もう遊びつかれただろうさ』と。
生きることに精一杯で、そんなつもりはなかったけど、その言葉は、私を安心させた。
なぜかほっとした。
その日から、空にはいつもドラゴンが浮かんでいた。
『そっかぁ』
つながることを止めていたのは、私だったのか、と。
閉じていたものを開いていけば、見えてくる。
そして、また、ぶらりと散歩から戻るように、自然に帰っていくものかもしれない。
私は、その奥の熱い温度を取り込むように、硬いウロコに頬を幾度も擦りつけた。