病んでる彼女にイニシャルを彫ろうと提案した私はカッターを手に取り、腕にRというイニシャルを刻み込んだ。
彫った後彼女に写真を送ると彼女は嬉しそうな文章でメールを返してきた。
そして彼女もまた腕にRというイニシャルを刻み込んでいた。
お互いこれを見せあって喜ぶ位私達はスレスレの状態で愛し合っていた。

ハタから見たら馬鹿馬鹿しいだろう
でも私達にとっては
それがお互いを保つ為の術だった。

そしてそんな日々が続いたある日
辛くなった彼女が別れたいと言い出した。

私は泣きながら電話に出て
別れたくないと言ったけれど
これは本当なんだろうなと何か察するものがあった。
お互い耐えられなくなると何度も別れ話をした。
これは本当に最後なんだろうと
いつもと違う彼女に引き止め方も分からず

私達は1年の遠距離に終止符を打った。