奥が深い皮漉き機の話 ⑧ | CRUST DESIGN ROOM

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天然素材を使って、ガーメント、バッグ、サイフ等を作っています。休日はロードバイクでサイクリングを楽しんでいます。

今回は斜め漉きと似て、異なる段漉き加工について。

 

 

段漉きは斜めの角度を付ける場合と

 

角度を付けない場合があります。


 

段を付けた後斜めに漉く場合の例として

 

カード段の裏の上部、縁返し部分、

 

この部分は裏地を張り付けた時、段差が無い方が収まりが良い。

 

 

段付きで平行に薄くする場合は

 

その部分が織り曲げたりする場合にあります。

 

 

コインケースのパーツです。

 

上部の縁の段漉きは幅約10ミリで斜め漉きの段漉き加工

 

この後、縁返しする部分なので斜めに漉きます。

 

 

下部の縁の段漉は幅約20ミリの幅で段漉き、厚みは平行です。

 

この部分は折りまがる個所になるので平行に薄くしています。

 

因みにこのパーツは本体の中央、厚みが0.5ミリ

下部の平行に漉いた部分の厚みは0.3ミリ

 

上部は段を付けた部分から斜めに漉いて0.1ミリ位に仕上げます。

 

このパーツをつくるのに3回押さえ金を交換して

 

その度に残革で調整しながら加工に入るので

 

手間がかかる上、極薄なので緊張します。

 

 

なにしろ、請負職人は支給された部材なので、

 

失敗する訳にはいかないのです。

 

 

つづく