今回は斜め漉きと似て、異なる段漉き加工について。
段漉きは斜めの角度を付ける場合と
角度を付けない場合があります。
段を付けた後斜めに漉く場合の例として
カード段の裏の上部、縁返し部分、
この部分は裏地を張り付けた時、段差が無い方が収まりが良い。
段付きで平行に薄くする場合は
その部分が織り曲げたりする場合にあります。
コインケースのパーツです。
上部の縁の段漉きは幅約10ミリで斜め漉きの段漉き加工
この後、縁返しする部分なので斜めに漉きます。
下部の縁の段漉は幅約20ミリの幅で段漉き、厚みは平行です。
この部分は折りまがる個所になるので平行に薄くしています。
因みにこのパーツは本体の中央、厚みが0.5ミリ
下部の平行に漉いた部分の厚みは0.3ミリ
上部は段を付けた部分から斜めに漉いて0.1ミリ位に仕上げます。
このパーツをつくるのに3回押さえ金を交換して
その度に残革で調整しながら加工に入るので
手間がかかる上、極薄なので緊張します。
なにしろ、請負職人は支給された部材なので、
失敗する訳にはいかないのです。
つづく