奥が深い皮漉き機の話 ④ | CRUST DESIGN ROOM

CRUST DESIGN ROOM

天然素材を使って、ガーメント、バッグ、サイフ等を作っています。休日はロードバイクでサイクリングを楽しんでいます。

メインの漉き作業の話

 

漉きの加工の種類には

 

ベタ漉き、段漉、斜め漉き、0「ゼロ」漉き、中漉き

 

この4種類が主な作業ですが、それ以外も結構あります。

 

 

今回はベタ漉きについて少し。

 

通常の請負仕事では皮漉き機では行いません。

 

 

上記の様なバンドマシンという機械で

 

パーツの厚みを揃えていきます。

 

ちなみにベタ漉き加工の事を

 

革業界では『割る』と言います。

 

ただ、僕はこの機械は持っていません。

 

量産品は漉き屋さんに職出ししています。

 

その方が正確で速い!

 

 

とはいえ、サンプル品や試作品は

 

手持ちの皮漉き機で漉きます。

 

 

押さえ金は左側の約40ミリ幅の物を使います。

 

ネット情報では右側の50ミリ幅を見かけますが、

 

どうかなぁ?

 

 

押さえ金40ミリ幅で漉いた裏側を見ると

 

均等な幅で削れる部分が約30ミリ。

 

もし、幅が広い方で漉けば、削れる部分も広くなるので

 

それだけ早く作業が出来ますが。

 

重要なのは正確な厚みで漉く事が出来るかどうか。

 

刃の形は丸いので、広く漉くと中央部分が凹んでしまう。

 

よく見かけるラウンド型の財布。

 

横のマチと呼ばれるパーツは厚さ0,4ミリで仕上げます。

 

厚さ1、8ミリが1.6ミリになってもさして問題ありませんが、

 

0,6と0.5では感覚として違うし、

 

0,5と0,4ではもっと違う仕上がりになります。

 

僕は精密に少しづつ漉いて仕上げています。