メインの漉き作業の話
漉きの加工の種類には
ベタ漉き、段漉、斜め漉き、0「ゼロ」漉き、中漉き
この4種類が主な作業ですが、それ以外も結構あります。
今回はベタ漉きについて少し。
通常の請負仕事では皮漉き機では行いません。
上記の様なバンドマシンという機械で
パーツの厚みを揃えていきます。
ちなみにベタ漉き加工の事を
革業界では『割る』と言います。
ただ、僕はこの機械は持っていません。
量産品は漉き屋さんに職出ししています。
その方が正確で速い!
とはいえ、サンプル品や試作品は
手持ちの皮漉き機で漉きます。
押さえ金は左側の約40ミリ幅の物を使います。
ネット情報では右側の50ミリ幅を見かけますが、
どうかなぁ?
押さえ金40ミリ幅で漉いた裏側を見ると
均等な幅で削れる部分が約30ミリ。
もし、幅が広い方で漉けば、削れる部分も広くなるので
それだけ早く作業が出来ますが。
重要なのは正確な厚みで漉く事が出来るかどうか。
刃の形は丸いので、広く漉くと中央部分が凹んでしまう。
よく見かけるラウンド型の財布。
横のマチと呼ばれるパーツは厚さ0,4ミリで仕上げます。
厚さ1、8ミリが1.6ミリになってもさして問題ありませんが、
0,6と0.5では感覚として違うし、
0,5と0,4ではもっと違う仕上がりになります。
僕は精密に少しづつ漉いて仕上げています。