インディゴのダブ染めとの出会い NATSUMI-YA布探しの旅 | natural design ukaのブログ

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ukAガールズの皆さん、お久しぶりです。

アメリカとインドを往復しながら服作りをしている旅鴉、NATSUMI-YAです。

 

後半は、コロナウィルスのせいで、数々のトラブルもあった今回の旅。

幸い全てのタイミングが上手い具合につながり、

2019年10月からスタートし、4月上旬までの旅を無事に終え、アメリカに帰国しました。

 

 

ニューヨーク州郊外にある我が家は、ただいまようやく遅い春が到来。

私の住む郡では、感染者数も200名以下で、ニューヨーク市内と比べたら、かなり少なく、

STAY HOMEな毎日も、自然に囲まれた田舎生活のおかげで、

ストレスもなくのんびりと過ごす事が出来て、4年前に20数年間住んだNY市を離れ、

ここに移り住んだと言うことは、

今の状況下では、本当に運が良かったと言うしかありません。

 

 

 

一方、未だに出口が見えない(友達もいっぱい住んでいる)ニューヨーク市内、

そして世界の状況を憂い、

それと共に、最前線で活躍なさっている医療従事者の方々に感謝の心を保ちながら、

早くこの未曾有のパンデミックが収束する事を毎日祈って過ごしています。

 

日本で暮らすukAガールズのみなさんも、どうかご無事で。

そして、自粛中でストレスも溜まる事とは思いますが、

いつかやってくる明るい日々を思い、みんなでこの状況を乗り切って生きましょう!

 

では、本題。

 

今回のブログでは今年のNATSUMI-YAの新作たちにまつわるお話を書かせていただきますね。

まず第一弾は、「布探しの旅」。

 

今年のコレクション作成の際に、NATSUMI-YAがインドで出会った、

インディゴの「ダブ染め」についてです。

 

藍染のブロックプリント生地を探して

 

ここ何年間かのNATSUMI-YAの服作りには、ハンドクラフトな布がとても重要で、

今年のコレクションでも、もちろん新たなプリントを求めて布探し。
 
去年のコレクションではグジャラート州カッチ地方の「アジュラック」ブロックプリントを使用したのですが、
 
今年は、アジュラック以外のプリントも使いたいなぁと思っていました。
 
去年から自分の中で、「インディゴカラー」がMYブーム!
どこかに綺麗な藍染のプリントがないかしら?とリサーチを繰り返していたら、
ラジャスターン州チッターガルとウダイプールの中間に
藍染が有名な「ダブ染めの村」があると言う情報にたどり着きました。
 
えっ、チッターガル?ウダイプール?!マジですか!?
 
実は、去年から次回にインドに行ったら、
絶対チッターガルとウダイプールに小旅行に行こう!と決心していたんです
 
その理由は、大好きなインド映画!!
 
実は、NATSUMI-YAは、大のボリウッド映画ファン。
映画はボリウッド以外観ない、インド人にも負けないくらいの「ボリオタク」笑い泣き
 
そんな私の一番好きな映画監督Sanjay leela Bansali氏の近年公開された2つの大ヒット映画。
もう好き過ぎて、合計15回くらい観ているくらいの、フェイバリット映画。
 
 
2013年に公開された「Ram leela
舞台設定がグジャラート州カッチ地方だったこの映画。
カッチ地方の民族衣装のコスチュームが素敵過ぎて、
それ以来またカッチにて買い付けを始めたほど、インスパイアを受けました!
映画の中で主人公たちが逃避行するシーンのロケが、ラジャスターン州ウダイプール。
 
2018年公開の「Padmaavat
ラジャスターン州チッターガルに実存した
当時最強と言われたメワール王国のマハラジャとその妃のラブストーリー。
豪華な衣装とセットに魅了されました。
 
 
嫌だ〜〜!もうこれは、運命じゃん!
行くしかないぞ、そのダブ染めの村に!!!
 

ダブ染めの村Akolaを探して

まずは、いつも滞在しているプシュカルからウダイプールまで、Let's go走る人バス
バスで約6時間の移動。ま、これくらい小旅行レベル。
 
15年ぶりに訪れたウダイプールは、大きな人口湖に囲まれた
マハラジャ時代の世界遺産がたくさんある
とってもロマンチックなラジャスターン州でも有名な観光地の街。
 
とりあえず、映画のロケ地を訪ねて町歩き。
 
「ああ、ここでRamが湖に飛びこんだのよ〜〜ハート」と始終萌え萌えな私ww
 
 
そして、Akola村とダブ染めの情報収集。
 
ウダイプールは大きな街なので、布屋さんに行けばダブ染の布も見つかるかな、
と探してはみたけど、
ブロックプリント生地もジャイプール産がほとんどだったり、と
目的のダブが見つからないショボーン

 

これはやはりAkola村まで行くしかない!

 
 
ネットでの情報では、ウダイプールからチッターガルに向かう途中にあるAkola村は、
路線バスを二本乗り継ぎ行けると言う事。ウダイプールからの距離は、大体70km。
 
よっしゃ!チッターガルに向かう途中でサクッと寄れるじゃん。
 
 
とりあえず、バスでの行き方を聞くために、旅行会社へ。
 
「すみません。路線バスでAkola村に行くには、どうしたらいいんですか?」
 
「えっ、Akolaにバスで行きたいの?!」
 
「はい。チッターガルに行く途中で、寄ろうかな、と思って。」
 
「えっ、それ1日でやるつもりなの?!」
 
旅行会社さん、苦笑ww
 
曰く、Akola村までのバスのルートは、本気のどローカルバスで、
2つめの乗り継ぎのバスは1日に数本しかなく、
1本乗り逃したら夜までにチッターガルまでたどり着けないとの事。
 
「まず、2つのバスの乗り継ぎでさえ、スムーズに行くとは思えない。
下手したらバス停で数時間待つことになる。」
 
「本当に何もない田舎だから、泊まる所も無いし、
1日でその旅の行程をこなすのは、リスクが高いよ。」
 
う〜〜〜〜〜〜ん、困ったガーン
 
本来、私の予算と言うのはかなりギリギリなんで、
いつもローカルバスなどを使って旅するのですが、
 
仕方ない!どうしてもAkola村に行きたいから、今回は奮発してタクシーをハイヤーする事に。
 
「ああ、かなりの予算オーバー、、、
これで良い生地が見つからなかったら、どうしよう、、、。」
 
そんな一抹の不安を抱えながら、タクシーに乗り込み、Akola村へ向かって出発〜〜車
 
運転手さんと談笑しながら、畑に囲まれた農村地帯のガタガタ道をドライブ。
 
「Akolaに布を買いに行く」と告げると、
「タクシー使って正解だよ、あの辺は本当に辺鄙で、バスもあまり無いし。」との事。
やっぱり、、びっくり
 
 
ドライバー歴何十年のウダイプール在住の運転手さん。
以前Akolaに観光客を連れて行った事はあるか、と聞くと、「無い」と即答。
 
「あそこら辺で、布作ってるなんて事すら知らなかった。」
 
ええええええ、なんか不安になって来たぞガーン
 
そして2時間後、Akola村に到着。
典型的なインドの田舎の小さな村。商店すら、中心地に何軒かあるのみ。
 
早速聞き込み開始!
 
その辺を歩いている人に「ダブ染めの工房は、どこにありますか?」と尋ねると、
5人目くらいに聞いた人が知っていたビックリマークやった〜〜〜ビックリマーク
そのあたりに行けば、3〜4軒工房があると言う事。
 
道に迷いながらも、どうにか教えてもらった場所に到着。
 
あ、あった〜〜〜〜!!お祝い

 

初めてのダブ染めの工程を見学

ダブ染めと普通のブロックプリントの違いすら知らなかった私に、
工房の職人さんが丁寧に説明してくださいました。
 
ブロックプリントは、
 
色を付けたい部分に木版で何度も何度も染料を重ねて行く作業を繰り返しますが、
 
↑ブロックプリント作成風景↑
 
 
ダブ染めは、その逆で模様を付けたい部分を木版に泥ペーストを付けて押してカバーし、
 
そのまま染色することで、乾燥後ペーストを取ると、模様が浮き上がると言う技法で、
 
「泥抜染」「泥染め」と言われる染色方法だそうです。
 
なんと手間のかかる作業でしょうか?!
これ、下手したらブロックプリントより大変かも、、、びっくり
 
重ねて行く色の数にもよるでしょうが、泥ペーストの作業段階で、
通常のブロックプリントより、一作業多いわけで、、、
 
本当に、インドの手工業の細かさには脱帽させられます100点
 
↑泥とアラビアゴムの樹脂と石灰を水に溶いたペースト↑
 
2色以上になる場合、
白く浮き上がった色の付いていない部分に再び木版を使って他の色を重ねていきます。
 
↑ペーストをつけた木版で模様を押していきます↑
 
インドの中でも、このダブ染めはラジャスターン州の伝統工芸として歴史も長く、
数百年前から行われているそうです。
 
↑木版が、いっぱい!↑
 
 
Akola村のダブ染めは、チッパス一族によって営まれています。
 
なんと、私の大好きなインド映画Pamaavatの主人公、メワール王国のお妃様が
ダブ染の生地が大好きで、ご自身の服に使用する為に、
Beduch川の辺りにあった土地を、
当時は他の国に住んでいたダブ染めを生業とするチッパス一族に与え、移住させた事から、
Akolaの染色業が始まったそうです!!
 
 
うわ〜〜〜!なんか感動ハート
 
自分の好きな服を着たいが為に、一族全員囲って、自分の国に移住させちゃうなんて、
スケールが大き過ぎ!
 
当時のマハラジャ達が、どれだけの権力を持っていたのか、想像出来ますね。
 
そして、マハラジャのようなスポンサーがいたからこそ、
インド伝統工業を支える職人さん達が今日まで生き残ってこれたと言う訳です。
 

Akolaの藍に、一目惚れ!

1軒目の工房は、全て受注オーダーのみと言うことで、他の工房に移動!

 

2軒目の工房で、ようやく藍染カラーが美しすぎるダブ染めの生地を購入出来ました。

 

本当に、本当に、ここまで足を運んだ甲斐があった!と思える、

私が欲しかった幾何学模様のインディゴプリントが、いっぱい手に入りましたラブラブ

 

アジュラックの様に洗練されたデザインではなくて、

もっと素朴と言うかシンプルな直球デザイン。

 

そして、何より他の工房では見つけられなかった、味わいのある藍色!

 

何年もの間、代々継ぎ足し発酵した藍染用の液体から作られるAkolaのインディゴカラーは、

発色が本当に美しくって、評判以上でした。

 

 
良いな〜良いな〜!
 
とても魅力的な生地に出会えると、どんな服を作ろうか、と色々なアイディアが浮かびます。
洋服作り、楽しいな。大好きだな、と思える瞬間ですラブラブ
 
さて、大量に買い付けた布達を持って、チッターガルに移動です。
 
↑当時難攻の城と言われた、城壁が見事な世界遺産チッターガル城。↑
 
 
工房の職人さんに、これからチッターガル城を観に行くと告げると、
 
「あの城を作ったメワールのマハラジャは、一族の恩人だ。」
 
「そして僕たちはラジャスターニー(ラジャスターン人)ではなく、
メワーリー(メワール人)だ。」
 
と、とても誇り高く語ってくれたのも、印象的でした。
 
 
そんなAkolaのダブ染めの布を使ったコレクション、
ukAさんにて販売が開始されました〜〜お祝い
 
 
 

発売が始まって以来、大好評をいただいていて、すでに完売のアイテムも出てきています。

 

全て、一点ものなので、気になった方はお早めに〜ニコニコ

 

 

長文にお付き合いいただいて、ありがとうございましたビックリマーク

これからも、NATSUMI-YAそしてnatural design ukAをよろしくお願いしますお願い

 

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