あらすじ

 

定子(高畑充希)が髪をおろしたことは内裏に広まり、一条天皇(塩野瑛久)はショックを受ける。

 

任地に赴くことを拒み逃亡する伊周(三浦翔平)を実資(秋山竜次)らが捜索し、やがて発見するが…。

 

定子を守ることができず落胆するききょう(ファーストサマーウイカ)を励ましたいまひろ(吉高由里子)は、中宮のために何かを書いてはどうかとアドバイスする。越前へ旅立つ日が近づき、まひろは道長(柄本佑)に文を送り…

 

 

感想

 

よーし、感想、最新週に追いついたかな\(^o^)/

 

二条第に踏み込んだ検非違使たちの目の前で自ら髪を切った定子。

これが史実だというのだから平安ドラマティック。

 

 

ドラマでは、その場には当事者以外には

 

 

この二人しかいなかったことになってるけど、そんなわけはなく(-_-;)

 

実際は定子や貴子に仕える女房たちがその場に控えていたはずで、中宮さまの痛ましいお姿を見た女房たちが悲鳴をあげたり泣き叫んだり、阿鼻叫喚の騒ぎだったはず。

 

邸の外に詰めかけていた野次馬たちはさぞかし盛り上がったことだろうな。

 

報告を受けた一条帝は、

「朝廷の命に従わぬ伊周らは許せぬ。勝手に髪を切り、政に異を唱えた中宮も同罪である!」

と激昂します。

 

 

しかし、一人になった御簾のうちで、

「中宮は朕に二度と会わぬつもりなのか…」

と悲痛な叫びを洩らします。その声を道長だけが聞いていました。

 

「愛した人に二度と会えないつらさを知る道長」

な場面なのかもしれませんが、道長とまひろはなんだかんだと言って週一で会ってるからね(視聴者の感覚では)

 

…っていうか、ラブ展開、最初は切なく見ていたんですけどだんだん胸やけしてきた。

 

 

この時、道長は30歳。

 

すでに倫子との間には、すでに登場している長女の彰子の他に、長男頼通、次女妍子が生まれており、明子との間にも次男頼宗、三男顕信、四男能信が生まれています。

 

ちなみに倫子はこの時、懐妊中でお腹にいるのは五男の教通。

 

すでに五男二女のパパでありながら、いまだに「心の恋人はまひろドキドキ」って(-_-;)。

 

二人が志を同じくするソウルメイト…っていう設定はそのままでいいと思うんですけど、キス&ハグしまくりの性愛ありきの恋愛関係、っていうのもずうっと引っ張るんだろうか。

 

確かに紫式部を「御堂関白妾」とする資料もあるみたいなので、それはそれでありなのかな。

 

って、これ書いていて気がついたんですけど明子さまの方は最初の御子が三人続けて男の子なのね。そのあと、寛子、尊子っていう女の子も二人産んでいるんだけど、彰子より10歳以上年下。

これ逆に明子の方が長女、次女、三女と立て続けに産んでいて、倫子の方は男の子が続いていたら、二人の立ち位置は違ったりしたんだろうか。

前左大臣の娘という倫子のアドバンテージは大きいだろうけど。

 

ききょうは定子のもとへ参上すると、もう決してお側を離れませんと言いますが定子はそれを拒否します。

 

「自分は生きながらにして死んだ身である」

と言った直後、倒れてしまう定子。

 

なんと定子は一条天皇の子を懐妊していたのです。

ドラマ的にはたぶん、この時に出来た御子。

 

 

史実では定子はこの時期、懐妊のため里第に下がっていたので一条天皇も世間も定子が懐妊中であることは知っていました。

 

『栄花物語』では中宮剃髪の報を受けた一条天皇は、

 

「中宮はただならぬ御身(懐妊中)であるのに、このような想いをさせてしまって…」

と定子とお腹の御子を気遣われています。

 

あちこち逃げ回っていた伊周は、ようやく二条第に戻ってきますが、

 

 

戦闘力ゼロの弁慶みたいな姿に(゚Д゚;)!?

 

いや…出家したとしても、大臣クラスの公卿がそうはならんやろ!

 

と突っ込む間もなく実資さんにエア出家であることを見抜かれてました。

っていうか登場した瞬間から視聴者含め全員に見抜かれてたわ( ̄▽ ̄;)

 

息子のあまりにも情けない姿を目の当たりにして、製造者責任を感じて自分が配所へ同行すると言い出す貴子。

 

本当は出立する息子の車に「私も連れてって!!」と半狂乱で乗り込んで離れようとしなかったのは貴子の方なんですけどね。

 

 

いざとなると母は強い、という描写なのかもしれないけれど、その気丈で気高い母の愛は、出家した懐妊中の娘には向けられないのか…。

 

中関白家のことを思うのなら、今は伊周より定子の身が第一だと思うのですが。

 

あれ、ひょっとして貴子もこの時点では定子の懐妊を知らない設定(・・?

そんなことあるの?

 

腑に落ちない気持ちで見ていたけれど、今回、誰もが涙したあの「枕草子爆誕」エピソードを見ているうちに

 

 

伊周や隆家があまりにもダメダメでまったく頼りにならないのも、まわりに他の女房がいないのも、誰もが待ち焦がれていたはずの定子の懐妊に母の貴子ですら気がついていないのも。

 

全部全部、

 

定子と清少納言

 

この世界に二人きり

 

 

という今回の構図を際立たせるためだったと思えば納得がいきます。

 

桜舞う春の夜明けも

 

蛍の飛び交う夏の夜も

 

烏の声が者悲しい秋の夕暮れも

 

雪明りが眩しい冬の早朝も

 

明るく華やかな父・道隆

才色兼備の母・貴子

学識深く、機知に富む優雅な貴公子の兄・伊周

やんちゃで憎めない弟の隆家

 

そして、誰よりも愛し愛された一条天皇との日々

 

すべてはそこにある

思い出の中の日々は誰にも穢し、貶めることは出来ない

 

人生は美しい

 

定子さまの生きたこの世界は

お腹の御子がこれから産まれて来る世界は

こんなにも美しい

 

 

清少納言のただ一つ、

 

「定子さまに生きていて欲しい」

「生きていて良かったと思って欲しい」

 

という想いで綴られたこの草子は、

定子の心を癒しただけでなく

 

彼女の眩いばかりの美しさ

学識の深さと機知に富んだチャーミングなお人柄

そして一条天皇との至高の愛を千年の後にまで伝えてくれているのです

 

ききょうさまの推しへの愛、最高で最強過ぎる笑い泣きキラキラ

 

もう、今回は…というかこの大河を見られて良かった。

 

伊周と隆家兄弟をWアホアホマンに描いたことも許せる。

 

高畑充希さんの、銀の鈴を振るような涼やかで麗しいお声で「春はあけぼの」を聴けただけで、長年の定子さま推し、中関白家推しの私は成仏出来ます。

 

ありがとうありがとう。

 

定子と清少納言の組み合わせは、日本史上屈指の最高のカップリングでしたね。

 

これが定子&紫式部、彰子&清少納言、だったらどっちもそんなにうまくはいかなかった気がする。

 

今後、まひろと彰子の主従関係がどのように描かれるかも楽しみです(*´Д`)ドキドキ