北斎、

という天才と

同時代に生まれ合わせるというのは、幸か不幸か……


すでに名をなしていた

大山のような北斎を

見上げながら

いつかは、と

筆を奔らせたのだろうか


浮世絵師安藤広重さんと

それを、支えた奥さまのドラマ


定火消し役人のかたわら

絵師として

売り出そうとする広重だが


これと言って

特徴のない絵を

出版する本屋はいない


どころか、

「富士なら、北斎がいる」

「お前の絵など、要らぬ」


悔しい想いをしながら

妻にも負担をかけ

ただ、ただ

写生に精を出す日々



北斎と広重

二人の対比が

的確でおもしろい


どこまでも

自分の絵(画業)を

突き詰めたい北斎


その生活ぶりも

破天荒


対して


普通の小市民

箸ひとつにしても

揃えずにはいられない

几帳面さ


自分の面白みのなさに

がく然とする広重


だが、そこに

救世主があらわれる


妻女が通っていた質屋の番頭


商売替えで

地本問屋を始めるのだ


言う事が奮っている


『つまらぬ生活しか知らぬ

つまらぬ暮らしをしている

つまらぬお人だから』


だからこそ、

「つまらぬ」

庶民の気持ちに沿った

絵が描けるだろう、と。


ここの高嶋政伸さんが良い🤩

台詞、

だとわかっているのに


肺腑をえぐる凄みがある


冷静で

先を見るに敏な商人

広重の妻への想いも

秘めたままに


抑えた演技が、

素敵だった



それ以外にも

長塚京三さんの北斎も

イメージ通り


歌川国貞の吹越満さん

洒脱で

いかにも一家を成す

絵師にふさわしい

うーん満足、満足😊😊



広重さんを金銭面、

舅たちの世話など

支えつづけた奥さま


どんな事でも

「承知いたしました、」

と笑ってらしたけど、


私には無理!!


もっと、

自分も大事にしてほしかったな


(成功を見届けて

さっさと亡くなってしまうなんて)


広重さんを

世に出すためだけに

生まれてこられたのかもしれない